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タイの新首相が2カ月も決まらない理由

2023年8月1日(火)12時10分
セバスチャン・ストランジオ(ディプロマット誌東南アジア担当エディター)
ピターの似顔絵を掲げるデモ参加者(7月23日)

ピターの似顔絵を掲げるデモ参加者(7月23日) ANDRE MALERBAーBLOOMBERG/GETTY IMAGES

<反体制デモが再び激化する可能性も増してきている>

タイの新首相選びが混迷を深めている。7月25日、タイの下院議長は27日に予定されていた首相指名選挙の2回目の投票を延期すると表明した。

5月の下院総選挙では革新派の前進党が第1党となり親軍派が惨敗したが、親軍政権時代の規定により首相選には親軍派多数の上院が加わる。7月13日の1回目の投票で案の定、前進党のピター党首は過半数に届かず、19日には憲法裁判所が、放送局の株を保有したままピターが立候補したのは憲法違反だという選挙管理委員会の訴えを受理し、議員資格一時停止を命じた。

親軍派がピターの首相選出を阻み、27日に予定されていた投票が期日未定のまま延期されたことで、前進党と組んでいる第2党・タイ貢献党が前進党と手を切り組閣するか、親軍派と少数党が組んで組閣する可能性が浮上している。

いずれの結果も、総選挙を勝ち抜いた前進党の支持者の反発を呼ぶことは必至だ。タイで反体制デモが再び燃え上がる可能性も高まっている。

From thediplomat.com

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