スーチーを刑務所から出した軍事政権の「陳腐」な皮算用...一方、民主化運動には「脱スーチー」の動きも
新たな仏像の開眼と関係が?
インドの政策研究センターのアングシュマン・チョウドリーは、スーチーの移送をこう評した。「軍事政権の伝統的で陳腐なやり方そのものだ。(今回の移送によって)国際社会の聴衆をなだめて、国内の抵抗を弱め、革命勢力の内部に分断の種をまこうとしている」
だが欧米でのスーチーの評価は、ミャンマー西部の少数民族ロヒンギャに対する軍の残忍な武力弾圧を擁護したことで大きく傷ついた。国内でも、軍事政権への抵抗運動は依然としてスーチーの影響を受けているが、もはやスーチー個人に頼り切っているわけではない。現在の運動は、スーチーの名前と不可分の関係にある古い政治的抵抗の手法から、さまざまな意味で脱却している。
つまり、ミャンマーで最も有名な政治犯が独居房から移送されたことは、軍事政権の戦術的な変化を意味する可能性はある。だが、軍部が最終目標を根本的に転換したわけではない。
From thediplomat.com
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