中国の秦剛外相の「雲隠れ」が示唆する不都合な真実
秦は3週間以上姿を見せず(写真は5月23日) THOMAS PETERーREUTERS
<中国外務省の報道官は「提供できる情報はない」と語るのみ>
中国の習近平(シー・チンピン)国家主席の腹心といわれる秦剛(チン・カン)外相の動静が、6月25日を最後に3週間以上途絶えている。7月半ばにインドネシアで開催されたASEAN地域フォーラム外相会談は「健康上の理由」で欠席。外務省の報道官は「提供できる情報はない」と語り、香港紙に掲載された秦に関する記述も削除された。
【動画】秦剛外相に関する質問に「何も答えない」中国外務省の報道官
秘密主義が徹底している中国では要人が突然、姿を消すことはそれほど珍しいことではなく、秦についても当局による取り調べや亡命説などの臆測が流れている。特にまことしやかにささやかれるのは、香港のテレビ局でキャスターだった女性との不倫疑惑だ。ただし中国では高官の不倫は日常茶飯事で、失脚の原因になるとは考えにくい。
もう1つ注目されるのは、新型コロナ感染による入院説だ。当局の公式発表では感染者数は驚くほど少ないが、このところ感染が拡大している兆候も見られ、仮に秦の感染と重症化が事実であれば、隠蔽されても不思議ではない。