ロシア、黒海をウクライナに向かう全船舶「軍事運搬船」と判断と警告 船舶の登録国を紛争当事者と見なすとも
ロシア国防省は19日、モスクワ時間20日午前0時(19日2100GMT)から、黒海沿岸のウクライナの港に航行する全ての船舶を軍事物資を運搬している可能性のある船舶と見なすと表明した。2022年10月撮影(2023年 ロイター/Mehmet Emin Calsikan/File Photo)
ロシア国防省は19日、モスクワ時間20日午前0時(日本時間同日午前6時)から、黒海沿岸のウクライナの港に航行する全ての船舶を軍事物資を運搬している可能性のある船舶と見なすと表明した。黒海経由の穀物輸出合意(黒海イニシアティブ)の履行停止に伴う措置としている。
これに先立ち、ウクライナ政府はロシアの履行停止を受けて穀物輸出を維持するために、臨時の輸送ルートを設定すると発表していた。
しかし、ロシア国防省は声明で、黒海の国際水域の南東部と北西部を航行危険水域と宣言するとし、ウクライナの港に向かう船舶が登録されている国をウクライナ側に付く紛争当事者と見なすと表明した。
影響を受ける水域の詳細や、どのような措置を取る可能性があるのかには言及しなかった。
ウクライナは19日、ロシアが夜間に黒海沿岸の2港を集中攻撃し穀物輸出インフラに損害を与えたと非難した。
ゼレンスキー大統領は、ビデオ演説で「きょう攻撃された港には約100万トンの食料が保管されていた。アフリカやアジアの消費国がすでに受け取っているはずの量だ」と述べた。
同氏によると、最も被害を受けたターミナルには中国への出荷向け農産物6万トンが保管されていた。
ロシアのプーチン大統領は19日、穀物合意について、西側諸国が自らの目的達成のためにゆがめていたと非難した。同時に、ロシアが提示している条件の全てが満たされれば直ちに復帰すると表明した。