韓国の「盗撮」が国際的な問題に。公衆トイレ、宿泊施設で隠しカメラが流行
韓国で公衆トイレや女子更衣室で隠しカメラが流行している...... Danny Rayes-YouTube
<韓国に旅行したとみられる外国人が、韓国の公衆トイレは、トイレットペーパーの小さな隙間にカメラが隠されている可能性があると「TikTok」に投稿し話題になった......>
韓国で「盗撮」が大きな問題となっている。7月4日、ソウル市麻浦区で女子トイレを盗撮した20代の男性が逮捕された。商業ビルの女子トイレで盗撮をしていた男性が2人の女性に目撃されて逃走。「盗撮犯が逃げた」という女性の声を聞きつけた飲食店の従業員が400メートルほど追いかけて捕まえた容疑者を警察に引き渡した。
2月には仁川南洞警察署が、モーテルなどの宿泊施設に隠しカメラを設置した容疑で30代の男性を逮捕した。1月中旬から2月中旬にかけ、ソウル市、仁川市、釜山市、大邱市の宿泊施設14か所の客室に20台のカメラを設置して宿泊客数百人を盗撮した疑いだ。ルーターに偽装したカメラをテレビの棚やエアコンの上にベッドの方向に向けて設置していたという。仁川市南洞区にあるホテルの客室清掃中にカメラを発見した従業員の通報を受けた警察が監視カメラの映像から容疑者を特定した。
また、3月には、韓国に旅行したとみられる外国人が、韓国の公衆トイレは、トイレットペーパーの小さな隙間にカメラが隠されている可能性があると「TikTok」に投稿し、4月にもある外国人が「韓国旅行を準備する際『隠しカメラ探知機』が必要」とツイートして話題になった。
「公衆トイレや女子更衣室で隠しカメラが流行している」
野党共に民主党議員が全国の警察から取り寄せた資料を集計したところ、2017年から2022年の違法撮影の通報が3万9957件に上っていたという。1日平均18件である。
韓国の盗撮は国際的な問題にもなっている。21年10月、シンガポールで実刑判決を受けた盗撮犯は韓国軍の将校だった。それに先立つ21年7月、国際人権団体「ヒューマンライツウォッチ(HRW)」女性管理局のディレクターが、「公衆トイレや女子更衣室で隠しカメラが流行しているのは韓国が世界唯一だ。その動画を販売する市場が形成されている国も韓国しか知らない」と述べている。
また、英国などの海外メディアなどが隠しカメラを「molka」と表記するという。韓国語でこっそりを意味する「Mollae」と「Camera」の頭文字を合わせた造語で「盗撮」を意味する韓国語の「モルカ」が、いまや英語でも使われているのだ。
監視カメラも至るところに設置されている
モルカと同様、監視カメラも至るところに設置されている。仁川南洞警察がモーテルに隠しカメラを設置した容疑者を監視カメラで特定したのと同様、監視カメラで容疑者を特定した例は少なくない。
今年4月4日、忠清南道天安市のチキン店で10人のグループ客が約26万ウォン(約2万8600円)の飲食をした後、代金を支払わずに逃走した。一部はトイレに行くといい、一部はタバコを吸うといって店外に出てそのまま逃走。警察は店内に設置された監視カメラの映像から容疑者の1人を特定した。