最新記事
中東

イスラエル軍、ヨルダン川西岸で急襲作戦 過去20年間で最大規模、少なくとも8人死亡

2023年7月4日(火)08時37分
ロイター
イスラエル軍との衝突から逃げるパレスチナの住民

7月3日、ヨルダン川西岸のジェニンでイスラエル軍が夜間に急襲作戦を実施し、パレスチナ自治政府保健省は少なくとも8人が死亡したと発表した。写真は同日、ジェニンでイスラエル軍との衝突から逃げるパレスチナの住民(2023年 ロイター/Raneen Sawafta)

ヨルダン川西岸のジェニンでイスラエル軍が夜間に急襲作戦を実施し、パレスチナ自治政府保健省は少なくとも8人が死亡したと発表した。作戦は過去20年で最大規模。住民によると、空からミサイルが発射されたほか、3日午後すぎまで地上で銃撃戦が続いた。

空爆の数時間後、銃声や爆発音が響く中、ジェニンの難民キャンプを拠点とする複数の武装組織でつくるグループはイスラエル軍と交戦していると述べた。

イスラエル軍は西岸における「大規模テロ対策」の一環で同グループの司令部となっている建物を攻撃したと説明した。

ジェニンの上空では少なくとも6機のドローン(無人機)が見られたが、イスラエル軍は3日の作戦で無人機攻撃を行ったかは明らかにしなかった。

ジェニンの難民キャンプはハマスやイスラム聖戦、ファタハなどの戦闘員数百人の拠点になっており、イスラエル軍が今年に入って急襲作戦を繰り返している。

イスラエル軍は、ジェニン旅団の戦闘員の司令部だと疑われる建物を攻撃したと表明。難民キャンプを拠点とする武装勢力を阻止することを目的とした大規模な対テロ活動だったと説明した。

イスラエル軍報道官は、必要な限り作戦を継続するとコメント。複数の当局者は軍が今後数日、作戦を続ける可能性を示唆した。

パレスチナ自治政府のアッバス議長の報道官は「無防備な人々に対する新たな戦争犯罪だ」と非難した。

ただ、今回の作戦でパレスチナ側のより広範な対応が引き起こされるかは現時点で不明。

米国務省の報道官は3日、「民間人の犠牲を防ぐため、可能な限りの予防措置をとることが不可欠」と述べた。

*写真とカテゴリーを追加しました。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

税制
日本のモデルは「合理的」。安定財源として期待される「たばこ税」はどうあるべきか?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

インド野党、アダニ問題追及姿勢強める 議会は機能不

ビジネス

独VW、中国新疆工場売却で合意 上海汽車との提携延

ワールド

焦点:ヨルダン川西岸で拡大するイスラエル入植地、「

ワールド

原油は5ドル過小評価、対イラン制裁で供給減のリスク
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:老けない食べ方の科学
特集:老けない食べ方の科学
2024年12月 3日号(11/26発売)

脳と体の若さを保ち、健康寿命を延ばす──最新研究に学ぶ「最強の食事法」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳からでも間に合う【最新研究】
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    リュックサックが更年期に大きな効果あり...軍隊式トレーニング「ラッキング」とは何か?
  • 4
    放置竹林から建材へ──竹が拓く新しい建築の可能性...…
  • 5
    「健康食材」サーモンがさほど健康的ではない可能性.…
  • 6
    こんなアナーキーな都市は中国にしかないと断言でき…
  • 7
    早送りしても手がピクリとも動かない!? ── 新型ミサ…
  • 8
    トランプ関税より怖い中国の過剰生産問題
  • 9
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 10
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 4
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 5
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳か…
  • 6
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 7
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 8
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中