仏パリ郊外ナンテールで警察官が交通検問中に少年射殺 抗議デモ広がる
フランスのパリ郊外ナンテールで6月27日、17歳の少年が交通検問中の警察官に銃で撃たれ死亡する事件があり、現地で2夜連続で抗議活動が行われた。社員は28日、ナンテールで抗議活動に対応する消防士ら(2023年 ロイター/Stephanie Lecocq)
フランスのパリ郊外ナンテールで27日、17歳の少年が交通検問中の警察官に銃で撃たれ死亡する事件があり、現地で2夜連続で抗議活動が行われた。デモ隊は警察に花火を投げつけ、車に火を放つなど混沌とした状況となった。
当局は少年が停車命令に従わなかったとしている。発砲した警官は意図的な殺人の容疑で取り調べを受けている。少年は北アフリカ系で、多様な人種が集まる大都市の郊外では警察による暴力に反発が強まった。人権団体は法執行機関内の組織的人種差別を指摘する。
フランス北部のリールや南西部のトゥールーズなど複数の地域やパリ首都圏の各地でもデモ隊と警察の衝突が起きた。
マクロン大統領は先に、警察の銃撃は「正当性がなく容認できない」と批判した。
ソーシャルメディアで出回った映像では車のそばにいる2人の警官のうち1人が運転手に銃を向け、車が再び発進した際に至近距離から発砲している。
フランス国家警察の報道官によると、27日の事件は交通検問中の発砲による死亡事案としては今年3件目で、過去最多だった昨年の13件を下回っている。ロイターの集計によると、こうした事件は21年に3件、20年に2件あり、17年以降の犠牲者の大半は黒人かアラブ系だった。