プリゴジン、ベラルーシに到着 ルカシェンコ大統領「ワグネル傭兵が来るなら受け入れる」
週末に武装蜂起したロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者エフゲニー・プリゴジン氏(写真中央)が27日にベラルーシに到着したと、ベラルーシのルカシェンコ大統領が明らかにした。5月撮影(2023年 ロイター/Press service of "Concord"/Handout via REUTERS)
週末に武装蜂起したロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者エフゲニー・プリゴジン氏が27日にベラルーシに到着したと、ベラルーシのルカシェンコ大統領が明らかにした。国営ベルタ通信が報じた。ただ、プリゴジン氏はこれまでのところベラルーシで公の場に姿を見せていない。
航空機を追跡する「フライトレーダー24」によると、プリゴジン氏と関係があるとされるロシア籍のエンブラエル機が27日、ワグネルが週末に一時管理下に置いたロシア南部ロストフ付近に表れ、ベラルーシの首都ミンスク近くで着陸に向け高度を下げたことが確認されている。
ルカシェンコ大統領は「プリゴジン氏はこの飛行機に乗っているようだ」とし、「今日ベラルーシに入った」と確認した。
ルカシェンコ氏の介入を受け、プリゴジン氏は24日、ロシアの首都モスクワへの進軍を停止。ベラルーシへの出国で合意した。
プーチン大統領は、大統領府の広場で治安維持部隊、国家警備隊、軍隊の約2500人の隊員・兵士の前で演説し、「あなた方は憲法秩序、国民の生命、安全、自由を守った。祖国を動乱から救った。内戦を阻止したのだ」と称賛した。反乱で死亡したロシア軍パイロットに敬意を表し、1分間の黙とうも求めた。ワグネルが解任を求めていたショイグ国防相も参加した。
プーチン氏はさらに、プリゴジン氏を名指ししなかったものの、同氏とワグネルが過去1年に計約20億ドルを稼いでいたとし、同氏が運営していたケータリング会社に支払われた資金の使途などについて調査を行うと発表した。
また、ロシアの通信社によると、ロシア連邦保安局(FSB)はワグネルの反乱を巡る刑事捜査を取り下げた。ワグネルが重火器を国防省に引き渡す準備をしているとの情報もある。
クレムリン(ロシア大統領府)のペスコフ報道官は27日の記者会見で、反乱を終結させる合意は実行に移されていると述べた。さらに、反乱によってプーチン大統領の権力掌握が揺らいだという考えを「ヒステリー」と呼び否定した。
ワグネル傭兵を巡っては、ルカシェンコ大統領はベラルーシ国内に基地を建設することはしないものの、ベラルーシに来ることを望む場合は受け入れると明らかにし、国営ベルタ通信に対し「現在使用されていない軍事基地の一つを提供する」と述べた。
ベラルーシに隣接するラトビアとリトアニアは27日、ロシアの民間軍事会社ワグネルがベラルーシに新たな拠点を設置する可能性に対応するため、北大西洋条約機構(NATO)に対し東部における安全保障の強化を要請した。