最新記事
ワグネル

「プリゴジンの乱」収束...元ロシア軍司令官はどう見ていた?

2023年6月26日(月)12時00分
ジョン・ジャクソン、ファトマ・ハレド
プリゴジン

国防省とショイグを激しく糾弾するプリゴジン(6月23日の動画) PRIGOZHIN PRESS SERVICE

<元ロシア軍司令官のイーゴリ・ギルキンはテレグラムの投稿で見解を示していた>

6月23日、ウクライナで戦闘に従事してきたロシアの民間軍事会社ワグネルを率いるエフゲニー・プリゴジンが、ロシア国防省への戦いを宣言した。ワグネル部隊の宿営地に、ロシア軍がミサイルを撃ち込んだというのである。

【動画】国防省とショイグを激しく糾弾するプリゴジン

「われわれには2万5000の戦闘員がいる。ロシアがここまで大混乱に陥った理由をはっきりさせる」と、プリゴジンはメッセージアプリ「テレグラム」に投稿した動画で述べた。「われわれに加わりたい人間は、誰でも歓迎する」

プリゴジンはこれまでも、国防省幹部を厳しく批判し、しばしば不満をぶちまけてきた。その最大の標的になってきたのがショイグ国防相だ。22日には、戦場におけるロシアの「途方もない」失敗について、ショイグがプーチン大統領に嘘の情報を伝えていると非難したばかりだ。

こうした緊張関係を背景に、23日にロシア軍がワグネル部隊を攻撃したと、プリゴジンは主張している。

「ワグネル指導部は決定を下した。この国の軍指導部がもたらしている悪に、終止符を打たなくてはならない」と、プリゴジン。「今日、われわれの戦闘員を殺害し、さらには何万人ものロシア兵の命を奪ってきた連中に罰を与える必要がある」

プリゴジンは、国防省との戦いが決着した後にはウクライナでの戦闘を再開するとも約束した。

一方、ロシア国防省は、ロシア軍がワグネルを攻撃したとの指摘を否定する声明を発表。ロシア大統領府のペスコフ報道官は、プーチンもプリゴジンの発言を把握していると述べ、「あらゆる必要な措置を講じている」とコメントしている。ロシア当局は、武装反乱を扇動した容疑でプリゴジンへの捜査を開始したと発表した。

ここしばらく、国防省とショイグに対するプリゴジンの批判は激しさを増す一方だった。23日の動画では、こんなことも述べている。昨年2月24日にロシア軍がウクライナへの侵攻を開始する直前の時点で「特別なことは何も起きていなかった」というのだ。

「国防省は国民と大統領を欺いて情報操作を行い、(侵攻当時に)ウクライナ側が常軌を逸した水準の攻撃性を示していて、NATO全体と一緒になってわが国を攻撃しようとしていたと信じ込ませようとしている」と、この軍人ではないビジネスマンは主張している。「実際には、特別軍事作戦は全く別の理由で開始されたのだ」

SDGs
使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが「竹建築」の可能性に挑む理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

スペイン、関税対策で国内企業に大規模支援 米は「愚

ビジネス

家計の消費支出、2月は3カ月ぶり減少 物価高で節約

ビジネス

米関税、1968年以来の大幅増税 世界景気後退リス

ビジネス

日経平均は大幅続落で寄り付く、米株急落の流れ引き継
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最後の1杯」は何時までならOKか?...コーヒーと睡眠の「正しい関係」【最新研究】
  • 2
    【クイズ】日本の輸出品で2番目に多いものは何?
  • 3
    アメリカで「最古の銃」発見...いったい誰が何のために持ち込んだ?
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    得意げに発表した相互関税はトランプのオウンゴール…
  • 6
    「ネイティブ並み」は目指す必要なし? グローバル…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    アメリカから言論の自由が消える...トランプ「思想狩…
  • 9
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 10
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 6
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 7
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 8
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 9
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 10
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 7
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 8
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアで…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中