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先天性の四肢欠損の少年がパイロットになる夢を叶えた本当の話...「頑固さ」と「温かさ」を支えに

Flying With No Hands or Feet

2023年6月22日(木)17時05分
ザカリー・アングリン(パイロット)

試験の当日は、とても緊張した。でも私は楽観的だった。5回も拒まれながら、実力を示す機会を得られたのだから。

幸運にも、私は合格できた。「おめでとう。これで君は空を飛ぶ訓練を受けられる」と言われたことは忘れられない。

夢はかなったが、航空学校では大変なことが多かった。私が空を飛ぶには、特別な工夫が必要だった。操縦席にはスイッチやレバーがたくさんある。私がそれらを操るには、いちいち体の位置を細かく調整しなくてはならない。

それでも19年に、私は四肢欠損者としては世界で初めて事業用操縦士の資格を手にした。何とも光栄なことだ。後に続く人たちのために壁を破れたこともうれしい。

いま私は、SODAを受ける人たちの指導もしている。あるときFAAから、カリフォルニア州出身の片腕のない男性の試験の準備を手伝ってほしいと頼まれた。彼は今、パイロットになっている。

今までたくさんの人に助けられてきたので、恩返しができたことを喜んでいる。長い道のりだったが、続けてきてよかったと思う。自分の頑固さに感謝したい。

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