ゲームおたくをドローン要員に ワグネルが新たな人材を募集
Wagner Group Now Recruiting Russian Gamers To Fly Drones Into Ukraine
内勤もあり?写真は2022年11月にオープンしたワグネルの本社ビル(サンクトペテルブルク、ロシア)Igor Russak-REUTERS
<受刑者を雇って戦地に送ってきたワグネルが、今度はコンピュータの知識を求めている。またワグネルの下で戦った元受刑者には恐ろしい暴力犯も混じっていたことが明らかになった>
ロシアの民間軍事会社ワグネル・グループは、人員増強のための人材募集を始めた。なかでも積極的に募集しているのがゲーマーだ。
「プーチンのシェフ」と言われたエフゲニー・プリゴジン率いるワグネルの傭兵部隊は、ロシアの本格的なウクライナ侵攻において、ドネツク州のバフムト攻防戦の先頭に立ち、大きな損失を被った。
失った人員の一部を補充するにあたって、ワグネルは求職者の特定のスキルを見ているようだ。
6月19日にワグネルはロシア最大のSNS「フコンタクテ」に求人広告を出し、ドローンの管理を担当する専門家を募集した、と独立系ニュースメディア「ベルトスカ」は報じた。
応募の条件として、年齢は21歳以上35歳未満、健康状態が良好で、コンピュータの知識があること、とされている。
さらに、ジョイスティックを使うシミュレーターの経験者や「何時間も座ってプレイできる」ゲーマーは有利だという。ワグネルが求めるのは、「新しい専門分野を学び、世界中で働きたい」という意欲のある人材だ。
ベルストカによると、求人広告には「特殊軍事作戦への参加は義務ではない」と書かれていた。
軍歴は問わない
ベルトスカの記事によれば、記者が求職者を装ってワグネルの採用担当者に連絡を取ったところ、面接で年齢、犯罪歴、健康状態などの標準的な質問と、どのような機器を扱いたいかを尋ねられたという。
また、「ドローンには2種類あり、ヘリコプターやもっと本格的な機材もある」と言われた。ワグネルはアフリカにも進出しているが、ウクライナとアフリカのどちらで働きたいか、とも聞かれたという。そして、採用担当者は軍歴がないことは「問題ない」と言った。
ワグネルはこれまで、刑務所にいる受刑者を「徴兵」してきた。6カ月間の勤務契約にサインすれば、恩赦の見込みがあると持ち掛けたのだ。
プリゴジンは今年1月、受刑者の採用はやめると発表した。だが、軍務と引き換えに恩赦を提供する刑務所からの徴兵活動は、今もロシア国防省が行っている。
19日に発表されたベルトスカの報告書によれば、ロシア軍の傭兵部隊「ストームZ」に所属する兵士の一部は暴力犯罪の重罪犯だったという。
親ロシア政府派の週刊紙アルグメントゥイ・イ・ファクトゥイは今年5月、ウクライナのザポリージャ地方のロシア占領地からの報告のなかで、ロシア軍第71衛兵運動化ライフル連隊の陣地を訪れたところ、部隊の前方はストームZ部隊に所属する前科者で占められているという事実を伝えた。