最新記事
イタリア

エロくて下品で豪快な「政界のドン」ベルルスコーニが逝く

Death of the “Teflon Don”

2023年6月20日(火)13時10分
バービー・ラッツァ・ナドー(ジャーナリスト、ローマ在住)

230627p28_BCN_04.jpg

1994年にフォルツァ・イタリアを結党して政界に進出 FRANCO ORIGLIAーHULTON ARCHIVE/GETTY IMAGES

実業家としての成功

ベルルスコーニは1936年、銀行員の父と主婦である母ローザの間に生まれた。首相時代は、ローザを外遊に同行させたり、公式晩餐会で自分の隣に座らせたりと、イタリア人らしいマンマ(母親)愛を炸裂させていた。

ベルルスコーニが初めて就いた仕事の1つは、掃除機のセールスマンだった。1960年代にはクルーズ船で歌手のアルバイトをした。音楽好きは生涯変わらず、政界入りした後も、ナポリのバラード曲を歌い今も愛されるアルバムを発表した。

61年に法学部を優秀な成績で卒業すると、65年に最初の妻カルラと結婚。後に離婚するが、よほど経済的に手厚い支援を約束されたのか、カルラはベルルスコーニとの関係をタブロイド紙にベラベラ話さない唯一の女性だった。

カルラとの間にできた娘マリーナと息子ピエルは、後に、ベルルスコーニが築いたメディア帝国や建設業で重要な役割を果たすようになる。

1990年、ベルルスコーニは2番目の妻ベロニカと結婚。女優だったベロニカがトップレスで踊る姿にノックアウトされたのだと、インタビューでは語っていた。彼女との間にも3人の子供がいる。

2010年のベロニカとの離婚は、泥沼の法廷闘争となってメディアをにぎわせた。きっかけは、ベルルスコーニが未成年者と関係を持っているというベロニカの告発(左派系新聞への寄稿)だったが、離婚後も年間4800万ドルもの生活費の支払い継続を命じられたことも大いに話題になった。

ベルルスコーニが建設業で頭角を現すきっかけとなったのは、ミラノで働く成功した若手たちのために、郊外に上質なマンションを建築するプロジェクトを大成功させたときだった。

ただ、その元手となった資金の出どころについては、最後まで黒い噂が付きまとった。マフィアが絡んでいたともいわれるが、捜査当局が何度調査しても立証することはできなかった。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

トランプ氏、対中関税軽減も TikTok売却承認な

ワールド

デンマーク首相、グリーンランド併合を断固拒否 米に

ビジネス

米国株式市場=急落、ダウ1679ドル安 トランプ関

ワールド

関税に対する市場の反応、想定されていた=トランプ氏
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最後の1杯」は何時までならOKか?...コーヒーと睡眠の「正しい関係」【最新研究】
  • 2
    アメリカで「最古の銃」発見...いったい誰が何のために持ち込んだ?
  • 3
    【クイズ】日本の輸出品で2番目に多いものは何?
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    得意げに発表した相互関税はトランプのオウンゴール…
  • 6
    「ネイティブ並み」は目指す必要なし? グローバル…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 9
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 10
    アメリカから言論の自由が消える...トランプ「思想狩…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 6
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 7
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 8
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 9
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 10
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 7
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 8
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアで…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中