NZ航空、搭乗前の旅客に体重測定を要請 「プライバシーの侵害」と物議
必要だけれども恥ずかしい
ただし現実的には、平均体重は年を追うごとに変化している。今回の計量は、データを最新の数値に更新するねらいがあるという。AP通信はニュージーランドの保健統計を引き、「ニュージーランド人の体重は増加傾向にある」と説明している。昨年の国民健康調査では、成人の肥満率は34%となり、一昨年から3ポイント増加した模様だ。
こうした動向を反映して、航空当局が指定する平均体重も、増加傾向にあるようだ。NPRは、ニュージーランドでの13歳以上の乗客の指定体重は2004年の時点で77kgとなっていたが、現在では9kg増えて86kgになっていると報じている。年間およそ1kgのペースで増加している計算だ。
もっとも、これは機内持ち込み手荷物を含む重量となっている。電子デバイスの普及に伴い、タブレットやPCを持ち込む乗客が増えていることによる影響も考えられるだろう。
CNBCは、現在でも多くの航空会社が、欧州航空安全機関(EASA)が09年以前に策定した平均体重データを使用していると述べている。最新の数値に更新する取り組みは、正確なデータの取得という意味では有益であるものの、空港で体重計に乗せられた旅客たちはやはり戸惑いを隠せないようだ。