中国3月製造業PMIは50.5に上昇、1年ぶり高水準 新規受注好調

中国国家統計局が31日発表した3月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.5となり、2月の50.2から上昇した。写真は2022年8月、安徽省合肥市で撮影(2025年 China Daily via REUTERS)
Joe Cash Ethan Wang
[北京 31日 ロイター] - 中国国家統計局が31日発表した3月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.5と、2024年3月以来の高水準となった。新規受注が生産を押し上げ、貿易を巡る不透明感が高まる中でも中国経済に安定化の兆しが見られた。
2月の50.2から上昇した。景況拡大・縮小の分かれ目となる50を2カ月連続で上回った。ロイターがまとめたアナリスト予想中央値も50.5だった。
中国政府の追加財政支援が経済を下支えしており、米国の関税引き上げを見越した海外からの駆け込み需要も寄与した。
3月のサービス業と建設業を含む非製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.8となり、2月の50.4から上昇した。
製造業とサービス業を含めた総合PMIは51.4で、2月の51.1から上昇した。
キャピタル・エコノミクスの中国経済責任者ジュリアン・エバンス・プリチャード氏は「PMIはインフラ投資が再び増加し、米国の関税にもかかわらず輸出が今のところ堅調に推移していることを示唆している」と分析。「しかし、サービス部門の弱さにより、第1・四半期の成長率が鈍化するとの見方を裏付ける結果だった」とも述べた。
3月製造業PMIの内訳では、新規受注サブ指数が1年ぶり高水準の51.8に上昇し、国内需要の改善を示した。一方、新規輸出受注指数の落ち込みは鈍り、節目の50をわずかに下回った。
国家統計局の趙慶河氏はメモで、中小企業のPMIは3月に改善したが、大企業は2月よりも厳しい状況だったと指摘した。
エコノミスト・インテリジェンス・ユニットのシニアエコノミスト、Xu Tianchen氏は、新規受注の増加にもかかわらず、生産価格が下落したことを非常に心配しているとし、十分に良い内容ではないと分析。「不動産部門が引き続き足かせとなっており、予想よりやや弱い内容だ」と語った。
キャピタル・エコノミクスのエバンス・プリチャード氏は「今年の中国経済がかなり良くなるとは思えない」とし、今週発表予定の米国の関税は間もなく輸出の重しとなり始めると予想した。