【動画】ロシアで相次ぐ火災、爆発、火災......これはウクライナの「反攻準備」の一環か?
ドローンによると思われる攻撃で燃え上がる、クリミアの軍港セバストポリの燃料貯蔵施設(4月29日) Governor of Sevastopol Mikhail Razvozhaev/Telegram/REUTERS
<クリミアの軍港セバストポリの燃料タンクへの攻撃は「反攻準備の一環」と、ウクライナが軍の関与を認めた。ロシアで相次ぐ謎の爆発はやはりウクライナの仕業?>
ロシアの貨物列車がウクライナ国境近くを走行中に、爆発物にぶつかって爆発した模様を捉えた動画が、5月1日にソーシャルメディアに投稿された。
この列車は、ロシア西部ブリャンスク州のウネーチャ地区を走るブリャンスク=ウネーチャ鉄道を走行中だったと、ブリャンスク州のアレクサンドル・ボゴマズ知事は1日、通信アプリ「テレグラム」への投稿で明らかにし、この爆発による死傷者はいないと述べた。
「この爆発の結果、機関車2両と貨物車7両が脱線した。残りの車両は、安全な距離まで移動した」とボゴマズは述べた。報道によれば、列車は石油製品などを運んでいた。
線路に爆発物を置いたのが誰かは不明だが、この爆発は、ロシアとウクライナの戦争のなかで起きた。ロシアで最も西側に属する州の1つでウクライナとも国境を接するブリャンスク州は、これまでも何度か攻撃を受けてきた。
この爆発を引き起こした人物について、ボゴマズはロシア側の見解を明かさず、ウクライナ側からも犯行声明はない。ロシアの領土内で起きた攻撃についてはコメントしないのが、ウクライナ側の通例だ。
しかしウクライナ軍参謀本部は、29日にクリミア半島の軍港セバストポリの燃料貯蔵施設で起きた大規模火災について、「大規模な反転攻勢の準備の一環」と異例の発表を行い、ウクライナ軍の関与を示唆した。クリミア半島は2014年にロシアが一方的に併合。その奪還はウクライナの悲願だ。
27日には、ロシア唯一の多連装ロケットシステム(MLRS)の工場で大規模な火災が起こった。ロシア軍にMLRSを供給する唯一の工場だけに、ウクライナの関与が疑われている。ただし他の越境攻撃がロシアとの国境近くに集中しているのに対し、この工場はロシア中部のペルミにあり、モスクワから約1500キロも内陸にある。
列車への攻撃と時とほぼ同じくしてロシアの重要施設に対する攻撃が多発しているのは、春の大攻勢に向けた「準備」がより大規模に進行しているのかもしれない。