兵士の命も消耗品扱い...残虐傭兵部隊「ワグネル」は敵にも味方にも容赦なし【注目ニュースを動画で解説】
Newsweek Japan-YouTube
<ウクライナだけでなく、シリアやコンゴ民主共和国の紛争にも関与してきたワグネル。「民間軍事会社」を自称する傭兵部隊とは一体どんな組織なのかを解説した動画から一部抜粋して紹介する>
ウクライナ戦争で戦うロシアの民間軍事会社「ワグネル」には過去の傭兵部隊や正規軍と大きく異なる点がある。敵にも味方にも容赦のない「国境なき軍隊」の正体とは──。
本記事では、本誌YouTubeチャンネルの動画「自軍の無駄死にもお構いなし...残虐傭兵部隊「ワグネル」の正体【アニメで解説】」の内容を一部抜粋して紹介する。
アメリカの戦略学者で元傭兵でもあるショーン・マクフェイトは、ワグネル指導部とロシア政府の関係は封建時代の騎士(領主)と配下の関係に似ていると言う。彼はまた、ワグネルとロシア正規軍の緊張関係も中世の時代に「騎士とその配下の者たち」の間にあった「昔ながらの反目」とあまり変わらないと見る。
ワグネルの戦闘員は17世紀の傭兵たちと同じく、戦いへの参加は金儲けの手段であると同時に指導者への忠誠を示す行為でもあり、祖国のための愛国的な奉仕と見なしているようだ。彼らとワグネルという組織、そしてロシア社会との関係も、昔の傭兵制度のそれと基本的には変わらない。
ただし、ワグネルの体質には特異な点がある。傭兵部隊であれ軍であれ、限りある兵士を簡単に死なせるわけにはいかないという事情は一致する。今のロシア政府もそうだ。しかし、ワグネルの戦術からは自軍の犠牲を最小限に抑えたいという意図が見えてこない。
部隊の規模が小さく、戦闘員は手厚く保護されてもおかしくないが、実態は真逆だ。ワグネルの将校は、部下が勝手に携帯電話を見たというだけで平気で指を切り落とす。身内に対する残虐性は歴史的にも異様だが、そうした行為を自らのブランド構築に利用しているようにも見える。
■詳しくは動画をご覧ください。