米台の指導者が会えば会うほど、中国の「派手なリハーサル」が止まらない
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しかし通常は、付近を飛行する航空機に対する警告は6時間単位で設定される。だから名目上は「27分」でも、実質的には6時間の飛行禁止だった。
この飛行禁止空域設定はルール違反だと反発する専門家もいたが、台湾政府は後に、これは軍事活動に関連したものではなく、中国による気象観測衛星打ち上げに伴う措置だとして理解を示した。
フランスの軍艦も牽制
一連の軍事演習は台湾に心理的な圧力をかけ、その庇護者であるアメリカに中国軍の実力を見せつけるためのものだが、別な目的もありそうだ。現場の兵士たちに、海上封鎖や軍事侵攻の実地訓練の機会を提供するという目的だ。
もしもそうなら、台湾の指導者がアメリカの要人と会えば会うほど、中国側は台湾侵攻や海上封鎖のリハーサルを重ねられることになる。台湾側にとっては好ましくない展開だろう。
米台の対話を口実に軍事演習が繰り返されるのだとすれば、蔡とマッカーシーの間で行われたような会談が今後も開かれるかどうかは不透明になる。
中国に軍事演習を行う口実を与えないために、台湾とアメリカが接触を控えるという選択肢もある。引き下がれば弱腰に見えると考えて、今後も同様の交流を続ける可能性もある。
一方で、諸外国が中国の行動にどう対応するかも注視していく必要がある。今回の演習中、アメリカは原子力空母「ニミッツ」を中心とする空母打撃群を中国周辺に派遣して、中国を牽制した。
さらにアメリカとフィリピンは、4月11日からこれまでで最大規模の合同軍事演習を実施している。この演習には1万7600人以上が参加した。ただし中国軍の動きに対抗するものではなく、以前から予定されていた通常の演習だとされている。
ちなみに、中国の演習中にはフランスの軍艦も台湾海峡を通過し、中国を牽制している。
その直前に訪中したフランスのエマニュエル・マクロン大統領は、ヨーロッパが米中の対立に巻き込まれてはいけないと示唆するような発言で物議を醸したばかりだが、さて真意はどこにあるのか。
From thediplomat.com