米台の指導者が会えば会うほど、中国の「派手なリハーサル」が止まらない
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そのほうが人的損害は少なくて済む。また露骨な武力行使を伴わない「グレーゾーン戦術」や、台湾海峡に浮かぶ馬祖島の制圧といった選択肢も考慮されている。
台湾の対岸にある福建省の海事局は、今回の演習中に付近を航行する船舶があれば立ち入り調査を実施すると警告していた。
事実上の海上封鎖である。中国側としては今回の演習で、いつでも台湾を封鎖できるという実力を見せつけたかったのだろう。
これに対して台湾側は、あたかも中国が台湾海峡を実効支配しているかのような虚構を演出する行為だと非難し、台湾の軍事力では中国に対抗できないと印象付けるための工作だと反発した。
今回の演習でもう1つ注目すべきは、台湾と中国の軍がそれぞれ、SNSで連日のように動画を公開したことだ。
中国が戦闘機や軍艦、ミサイル輸送車両などの動画を公開すれば、台湾側も自軍の部隊が中国側の動向を監視している様子を捉えた動画を公開して対抗した。
おそらく互いの軍事力や監視能力を誇示するために動画を公開したのだろう。中国側は、わざと台湾軍の艦艇が映り込む場所で撮影を行うなど、インターネット上での公開を意識した「演出」もやっていたとみられる。
演習中に台湾軍と中国軍の艦艇がにらみ合いになる場面も数多く見られた。台湾海峡の中間線付近で両軍の艦艇10隻ずつがにらみ合ったとも報じられた。
演習が終わった後も、(演習中に比べれば戦闘機や軍艦の数が減ったとはいえ)中国軍による領空侵犯などが毎日のように続いた。また福州や大連、海南では週末にかけて、中国軍による別な実弾演習も行われた。
中国政府はさらに、4月16~18日にかけて台湾北方に飛行禁止空域を設けると発表。また台湾が実施している中国の農産品など2400超の品目の輸入制限について調査を行うとも通告した。
その後、台湾交通部の抗議を受けて、飛行禁止空域の設定期間は16~18日の午前9時~午後2時の予定から、16日午前の9時30~57分の27分間のみに短縮された。