ロシアのミグ31戦闘機が空中で炎上し劇的にノーズダイブ!
Russian Military Jet Blows Up Mid-Flight, Crashes Into Lake
極超音速ミサイル「キンジャール」を搭載したミグ31(モスクワ上空、2022年の対独戦勝記念日のリハーサル)Maxim Shemetov-REUTERS
<墜落したミグ31は、ロシア空軍の主力機の1つで、ウクライナ侵攻にも参加し、偵察にくるウクライナ軍機を多数撃墜しているという戦闘機。その性能は?>
ロシアの迎撃戦闘機ミグ31が4月26日、ロシア北西部の湖に墜落し、乗員2人は脱出した、と複数のメディアが伝えた。乗員の安否については情報が混乱しているが、事故が起きたことはロシア政府も認めている。
ミグ31フォックスハウンドは超音速で飛ぶ双発2座席の長距離迎撃戦闘機で、ロシアとカザフスタンの空軍が導入している。冷戦時代に旧ソ連の航空工業省の設計局を作ったミコヤン・グレビッチ(ミグ)らが開発し、1975年に初飛行に成功した。なお、現在ミグはスホーイなどと共に、ロシア国有の統一航空機製造会社の傘下に収まっている。
ミグ31は、高高度の迎撃機ミグ25を、低空飛行でレーダー網をかいくぐれるよう改良したバージョンで、自機より低い空域に位置する飛行物体を補足し、攻撃できる「ルックダウン能力」と「シュートダウン能力」を誇る。
これまでに500機余り製造され、現在およそ370機をロシア空軍、30機をカザフスタン空軍が保有している。ロシア国防省は2020年7月、既存機の更新を進める方針を発表したが、今のところミグ31はロシア空軍の主力機の1つであり続けている。
ノーズダイブに驚く目撃者
ロシア国営タス通信はメッセージアプリのテレグラムで、北西部のムルマンスク地域で訓練飛行中にミグ31が墜落したというロシア国防省のコメントを伝えた。ロシアの独立系メディア「バザ」もテレグラムで、ムルマンスク地域の村リシュ・グバの湖にミグが墜落したと報じた。
ロシア国防省は当初、「乗員は2人とも脱出し、捜索救難チームのヘリコプターに救出され、命にも健康状態にも別状はない」と発表していた。
だがタス通信の続報では、医療関係者の話として、乗員2人は救急搬送され、危険な状態にあると伝えられている。
これとは矛盾する報道もある。国営通信の「ロシアの今日」(旧RIAノーボスチ)はテレグラムで、ミグは「人里離れた場所」に墜落したが、乗員2人は脱出に成功し、「命と健康はまったく脅かされていない」と伝えた。
バザは、現場からかなり離れた場所で事故の模様を撮影した動画をテレグラムに投稿した。この動画には、湖に向かってノーズダイブ(急降下)するミグを地元の人々があっけにとられて見守る様子が写っている。
オンラインのニュースメディア「サイレン」も別のアングルから事故の模様をとらえた映像をテレグラムにアップした。