最新記事
パルチザン

ロシア治安機関FSBを爆破したパルチザンの正体

What Is 'Black Bridge'? Anti-Putin Group Claiming FSB Building Fire

2023年3月22日(水)17時09分
イザベル・ファン・ブリューゲン

ブラックブリッジはみずからの活動を、プーチン、ロシア当局、ウクライナでの戦争に反対する運動と説明している。

そして、紛争を通じてロシア政府に異議を唱え、自らを「沈黙したり、逃げたりする代わりに、戦うことを決めた新しいロシアのレジスタンスの一部」と称している。

2022年9月にプーチンが部分動員を発表したとき、ブラックブリッジはロシア政府が「苦悩によるすみやかな死を選んだ」と述べた。

「われわれにとって『戦い』とは、集会やストライキなど、皆が慣れ親しみ、有効な政治形態と考えている合法的で平和的な草の根政治運動ではない。ここでは、それは通用しない。われわれは『戦争に反対』と言っただけで、逮捕され、拷問される。だから、『戦う』ということは、本気で戦うということだ」と、ブラックブリッジはテレグラムの投稿で述べた。

ブラックブリッジはロシアのエリートたちにも激しい怒りをあらわし、彼らを 「嫌悪すべき廃棄物、ロシアで最悪の種類の人々」と呼ぶ。

「プーチン政権下において、彼らの努力はすべて、安全な避難場所、快適な引退生活、保険として西側世界への着地を手配することに費やされている。『実業家』、『政治家』、『芸術家』──どれも違いはない」

目標はプーチン政権の破壊

「ロシアのエリートはロシアを憎み、掘り尽くされるべき鉱山のように扱う。国は彼らにとって収入源でしかない。金儲けのために地域全体のエコシステムを損なうことも、誰かを殺害することも、隣国で大量虐殺を仕組むことも、彼らにとっては問題じゃない。コモ湖畔の素敵な別荘のためなら、この程度のことはやってのける」

ブラックブリッジの最終目標は、「暴力的な抵抗とプーチン政権全体の破壊」だという。

「どの国も、自分たちが選んだ指導者が期待に応えず、権力が腐敗したとき、常に反乱を起こす権利を持っている」と、同組織はテレグラムで述べた。「ロシア連邦の国民のほとんどはロシア政府のテロ行為を支持している。だが、レジスタンスの声が静まることはない。同じ考えを持つ多くの人々が正義が勝つために戦い、戦うだろう」

ニューズウィーク日本版 独占取材カンボジア国際詐欺
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年4月29日号(4月22日発売)は「独占取材 カンボジア国際詐欺」特集。タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

午前のドルは140円前半に軟化、売り地合いで下げ加

ビジネス

トルコ財務相、インフレ率が中銀予想レンジまで低下と

ビジネス

上海自動車ショーが23日開幕、テスラ競合モデルなど

ビジネス

中国CATL、ナトリウムイオン電池の新ブランド立ち
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 2
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 3
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボランティアが、職員たちにもたらした「学び」
  • 4
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 5
    遺物「青いコーラン」から未解明の文字を発見...ペー…
  • 6
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 7
    パウエルFRB議長解任までやったとしてもトランプの「…
  • 8
    「アメリカ湾」の次は...中国が激怒、Googleの「西フ…
  • 9
    なぜ? ケイティ・ペリーらの宇宙旅行に「でっち上…
  • 10
    コロナ「武漢研究所説」強調する米政府の新サイト立…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 4
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 5
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 6
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 7
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 8
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 3
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 7
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 8
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 9
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 10
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中