米下院議長の訪台よりも、もっと「嵐を呼ぶ」蔡英文の訪米プラン浮上
もっとも、マッカーシーが台湾を訪問しなくても、マッカーシーと蔡の会談が実現すれば、中国が軍事的対抗策を取る可能性はある。自国の力を誇示するためという面もあるだろうし、有事に備えた訓練という面もあるだろう。
一方、最大野党の国民党は昨年来、民進党が危険な挑発を行っているという批判を強めている。蔡には、そうした国内の批判をかわしたいという意図もあるのかもしれない。
国民党の朱立倫(チュー・リールン)主席(党首)は親米政党への転換を推し進めてきたが、この2月には夏立言(シア・リーイエン)副主席を訪中させ、中国政府高官と会談させている。
アメリカの下院議長を迎えることは、台湾にとって本当に好ましい選択なのか。とりわけ、訪問が台湾支持の姿勢を示すという象徴的意味しか持たず、通商協定や武器輸出などの実質的恩恵を伴わない場合、果たしてそれが得策なのか。
昨夏にペロシが台湾を訪問して台湾海峡の緊張が高まって以降、こうした議論が持ち上がっている。
今回、台湾側はマッカーシーの台湾訪問を受け入れるのではなく、蔡が訪米することを選択した。中国は、この計画変更に対してどのような反応を示すのか。ボールは中国側にある。
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