東ティモールがASEANデビュー 域内すべての国が加盟でEUしのぐ地域連合に
東ティモールのアダルジザ・マグノ外相(左)とインドネシアのルトノ・マルスディ外相(右) Willy Kurniawan - REUTERS
<アジアの地域連合としての地位を固めるASEAN>
インドネシアの南東部、ティモール島の東半分を占める独立国東ティモールが2月3日にインドネシアの首都ジャカルタで開催された「東南アジア諸国連合(ASEAN)」の会議にオブザーバーとして初めて参加した。
東ティモールは2002年5月に国連暫定統治を経てインドネシアから念願の独立を果たし、2011年からASEAN加盟を目指して本格的な活動を展開してきた。
そして2022年のASEAN首脳会議で正式加盟への道筋が示された。それはまずオブザーバーとして各種のASEAN会議に参加し、2024年までに正式加盟するというもので、今後ASEANは現在の10カ国体制から11カ国体制となる。
ミャンマー招待せず
2月3日にジャカルタで開催されたASEANの「調整理事会(ACC)」に東ティモールのアダルジザ・マグノ外相が初めて参加し、東ティモールのASEAN会議デビューとなった。
しかし一方でミャンマーの軍事政権が任命した「外相格」は招待されず、ASEANは「非政治的人物」の派遣を打診したが軍政はそれを拒否、結局ACCにミャンマーからの参加はなかった。
ASEANはミャンマー問題の平和的解決に向けた道筋を模索しているが、ミャンマーへの融和派と強硬派による分断の危機が表面化している。そんなASEANにとって東ティモールの「新加入」は久々のいいニュースとして加盟国からは歓迎を受けている。
加盟国協力に東ティモールが感謝
2023年のASEAN議長国を務めるインドネシアのルトノ・マルスディ外相は、ACC会議の開会式で「東ティモールが参加する今回のACCは特別であり、歴史的でもある。今日ここに東ティモール外相の初参加を歓迎する」と東ティモールの参加を祝福した。
これに対し東ティモールのマグノ外相は「東ティモールのASEAN加盟への道のりは挑戦の連続だった。しかしそれは不可能な使命ではなかった。強い献身と楽観に基づいた挑戦は間違いでなかった。ASEANの全ての加盟国による協力でこのような成果にたどり着けた。東ティモール単独ではなしえなかったことである」と述べて各国の協力への感謝を改めて表明した。