空から大量の魚が降ってきた! 同じ町で過去30年間に4回目、謎の現象の原因は?
Fish Keep Falling from Sky Onto Same Town and Experts Aren't Sure Why
写真はイメージです alkir-iStock
<オーストラリアの砂漠地帯の端に位置する町に、無数の魚が降ってきた。世界各地で観測されるこうした現象はなぜ起きるのか?>
オーストラリア北部準州(ノーザンテリトリー)の奥地にある辺境の町ラジャマヌで今月、大量の魚が空から降ってくるという奇妙な現象が起きた。州都ダーウィンから900キロメートルほど南の乾燥した大地にあるこの町では、しばしば雨ではなく、魚が降る。今回のような出来事は、過去30年間で4回目。前回は2010年に、魚が空から降り注いだ。
■【写真】道路に散らばる無数の魚...豪ラジャマヌの町に魚が降った様子
「巨大な嵐が町へと向かっているのが見えたが、ただ雨が降るだけだと思っていた」。中央砂漠地方議会のラジャマヌ選出議員アンドリュー・ジョンソン・ジャパナンカは、豪メディアABCニュースに対してそう述べた。
「ところが、雨とともに、魚も降ってきた」
その魚は、オーストラリアの固有種「スパングルドパーチ」(スズキ目シマイサキ科。学名はLeiopotherapon unicolor)であることを、クイーンズランド博物館の魚類学者ジェフ・ジョンソンが確認している。サイズは、子どもの手の平くらいだ。降ってきたのは夜間で、住民たちが翌朝起きて外を見ると、町のあちこちに魚が散らばっていた。多くはまだ生きていたという。
「水たまりに落ちて、生きながらえた魚もいる。子どもたちがそうした魚を捕まえて、ガラスのボトルやジャーに入れて飼っている」とジャパナンカは話す。
スパングルドパーチは、「スパングルドグランター」(grunterは豪固有種のイサキ科の魚)という名前でも知られており、オーストラリアではどこでも見かけるありふれた淡水魚の一種だ。体長は最大25cmだが、15cmほどのものが多い。
朝起きたら「あまり一面が魚だらけ」
スパングルドパーチが大量に降ってきた原因はわかっていない。しかし、ラジャマヌの町では少なくとも、1974年、2004年、2010年にもこの現象が起きている。2010年に降ってきたのも、今回と同じスパングルドパーチだった。
「1980年代にも、朝起きてみたら自宅前の土の道が魚だらけになっていたことがある」。当時、ラジャマヌに住んでいたペニー・マクドナルド(現在は、ラジャマヌから600キロメートル離れたアリススプリングス在住)は、ABCニュースに対してそう述べた。「一匹一匹は小さかったけれど、あたり一面が魚だらけで、とにかく驚いた」