空から大量の魚が降ってきた! 同じ町で過去30年間に4回目、謎の現象の原因は?
Fish Keep Falling from Sky Onto Same Town and Experts Aren't Sure Why
魚に限らず、カエルやコウモリ、ワーム、クモなどの生き物が空から降ってくる「アニマル・レイン」は、世界各地で時々発生する現象だ。ただし、原因が正確に究明されたことは一度もない。有力な説としては、高速で渦巻く竜巻のような空気の柱が水上で発生し、そこに棲んでいた生き物が空に舞い上げられて、遠くまで飛んできたというものがある。
米議会図書館の公式サイトに掲載されているレポートでは、水上竜巻には、小さな生き物をその渦へと吸い上げてしまうほど強烈な威力があると説明されている。
「小さな池の上を竜巻が通過したときに、池の水が文字どおり吸い上げられて空っぽになったのを見たことがある。従って、カエル(やその他の小さな生き物)が、空から『雨のように』降ってきてもおかしくはない」。異常気象や竜巻を専門とする米パデュー大学教授アーネスト・エイジーは、米議会図書館のレポートでそう述べている。
水とともに空中へと巻き上げられた生き物は、長い距離を飛ばされていき、やがて、もともとの生息地から遠く離れた地上に落ちてくると推測されている。
「鳥が運んだ」説、「小規模洪水」説
米テキサス州東部の都市テクサーカナで2021年12月末、小魚が空から降ってきたのも、原因は同じだと考えられている。このときのアニマル・レインについては、ほかにも説がある。空中を飛んでいた鳥たちが魚を吐き出したのではないかという説だ。2022年6月にサンフランシスコで空からカタクチイワシが降ってきたときも、鳥が原因だという説が出た。
今回、魚が降ってきたラジャマヌは、海から遠く離れた内陸部の砂漠の端に位置している。つまり、大きな水源が近くにあるわけではない。だが、魚がどこからともなく現れるという現象については、そもそも魚は空から降ってきたのではなく、洪水で押し流されてきたという説もある。
「ほとんどの場合は、雨が降ったあとに魚が散らばっているのが発見されている」。北部準州博物館・美術館の魚類担当キュレーター、マイケル・ハンマーはABCニュースに対してそう語った。
「多くの場合、(地上での魚の出現は)小さな池や井戸などから水が流れ出して起きた、局地的な洪水が原因だ。しかし、嵐などに巻き上げられた魚が別の場所に降ってくるという説も、もちろん除外できない」
ハンマーはABCニュースに対し、オーストラリアではこうした奇妙な気象現象の発生件数が増えているように思われると述べた。そして地元当局に対して、こうした異常な現象に目を光らせ、それを記録して原因をきちんと調査するよう勧めている。
(翻訳:ガリレオ)