ロシアの自律型戦闘ロボット「Marker」実戦配備へ
Russian "Marker" combat robots to be sent to Ukraine, official reveals
極東のボストチヌイ宇宙基地を視察する3人の盟友(前列左から)ロシアのプーチン大統領、ベラルーシのルカシェンコ大統領、ロスコスモス社長(当時)のロゴジン(2022年4月12日) Sputnik/Mikhail Klimentyev/Kremlin/REUTERS
<国営宇宙企業ロスコスモスの社長を辞め、今はウクライナ東部親ロ派の軍事顧問を務めるプーチンの盟友ロゴジンが、これでウクライナに「炎の洗礼」を浴びせると宣言>
ロシアの国営メディアは1月15日、ロシアが開発した戦闘ロボット「Marker(マーカー)」がウクライナの前線に配備される予定だと報じた。
ロシアの国営宇宙企業ロスコスモス前社長で現在はロシアに「編入」されたドネツクとルガンスク両「人民共和国」の特別軍事顧問団「ツァーリ(ロシア皇帝)の狼」の会長であるドミトリー・ロゴジンは、メッセージアプリ「テレグラム」の自身のアカウント上で、自律型戦車の「Marker」がウクライナ東部のドンバス地方に「炎の洗礼」を浴びせることになると明かした。
ロシア国営タス通信によれば、「Marker」は「自律的に」戦闘任務を遂行することができ、約15キロ先にある標的を特定することができるとロゴジンは説明。戦闘地域で敵の正確な位置を特定し、攻撃を行うことができると投稿した。
タス通信は、今後「数台の」Markerがウクライナ東部に配備される予定で、それに先立ちロシア国内にあるボストチヌイ宇宙基地で試験が行われていると報じた。
ロシア政府の研究開発機関「高等研究財団」の責任者であるオレグ・マルチャノフは、開発担当者たちが「既に『Marker』にはスポーツ銃の撃ち方だけでなく、カラシニコフ機関銃を使って、空中を動く円盤型の標的を人間よりも素早く撃つことを教えている」と述べた。
自律型の輸送車としても機能
マルチャノフはさらに、「Marker」は民間人と軍事要員を識別して「直接的な脅威」をもたらす相手だけを標的にすることができるとつけ加えた。
ロシアの国営通信社「RIAノーボスチ」は11日、戦闘ロボット「Marker」に関する作業は既に完了していると報じた。この報道によれば、「Marker」は重さ約3トンで、さまざまな兵器システムを搭載することが可能だ。
RIAノーボスチは「Marker」について、「ロシア国内で最先端の自律走行スキルを持ち、人工知能(AI)技術に基づく物体認識機能を備えている」と称賛した。同通信社は2021年11月、「Marker」が自律型の「輸送車」としてアップグレードされ、戦場から負傷兵を安全な場所に退避させる機能も装備されていると報じていた。
その少し前にはタス通信が、「Marker」は将来「電子パルス」や「自爆型ドローン」を使って、無人航空機(UAV)に対抗することができるようになると報じていた。タス通信は製造元の「アンドロイド・テクニクス」のプレスリリースを引用し、「Marker」は不正なドローンや要員、車両を検知することができると伝えた。