最新記事

韓国社会

梨泰院の事故でも懲りない韓国の転売ヤー 限定品セールめぐり圧死の危機

2022年12月28日(水)17時35分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
限定品販売に殺到する人びと

ロッテ百貨店の店員の声がけも転売ヤーには届かず…… 한국경제 / NAVER TV 영상제공 OFAD 오파드하이엔드패션

<梨泰院での転倒事故の傷がいえない韓国で、再び圧死事故が起きかねないトラブルが......>

ハロウィーンでごった返すソウル市中心部梨泰院で人びとが折り重なって転倒し、158人もの犠牲者が出た事故から約2カ月。27日には事故への安全対策を怠ったとして、龍山(ヨンサン)区庁のパク・ヒヨン区長と、チェ・ウォンジュン安全災害課長が逮捕されるなど、警察関係者以外での責任についても追求が始まった。そんな痛ましい事故の記憶が残る韓国でまた新たな事故につながりかねない事態が発生した。韓国メディア・韓国経済が報じた。

転売ヤーが跋扈する「オープンラン」

熱しやすく冷めやすい、そんな流行り物に目がない韓国で今、人気のサービスがポータルサイト最大手NAVER傘下の「KREAM」に代表される限定品仲介サービスだ。スニーカーの取引仲介から、ストリートウェア、ラグジュアリーなどのファッションアイテム全般の限定商品の転売品を扱う「KREAM」は、サービス開始2年で急成長を遂げ、若者を中心に爆発的な人気を集めている。

このため人気商品を手に入れるためには「KREAM」のような転売アプリで購入するか、夜明けからショップの長い行列に並んで、開店と同時にダッシュする「オープンラン」という厳しい競争に身を投じる必要がある。もちろん、行列に並んでいる者の多くが転売ヤーの手配したアルバイトだ。どんなに早くから並んでいても、強力なライバルたちがいるため、目当ての商品を必ずゲットできるとは限らない。いきおい、開店時には人をかき分け、押しのけ、猛ダッシュしなければならくなる。

目当ての商品を手に入れるため人を押しのけて......

流通業界関係者によると、トラブルは12月15日ソウル中心部明洞にあるロッテ百貨店本店内のザ・ノース・フェイス売り場で起きた。この日、レディースのショート・ウインター・ジャケットが限定210着が販売されているという情報がネットで流れると、午前中から一般のお客と転売ヤーが詰めかけ混乱が発生した。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

中国人民銀、アウトライトリバースレポで3月に800

ビジネス

独2月小売売上は予想超えも輸入価格が大幅上昇、消費

ビジネス

日産とルノー、株式の持ち合い義務10%に引き下げ

ビジネス

米通商政策で不確実性、利下げに慎重になる必要=イタ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者が警鐘【最新研究】
  • 3
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 4
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 5
    「炊き出し」現場ルポ 集まったのはホームレス、生…
  • 6
    メーガン妃のパスタ料理が賛否両論...「イタリアのお…
  • 7
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 8
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 9
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 10
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中