ウクライナ軍がロシアの超高額ドローン「フォルポスト」を撃墜か?
Russian high-tech 'Forpost' drone worth $6M destroyed in strike: Ukraine
「フォルポスト」は元はイスラエルの偵察用ドローンだが、ロシアが攻撃用に転用した CRUX./YouTube
<ロシアは兵士だけでなくドローンも使い捨て? 高価な「フォルポスト」の撃墜が本当ならこれで3機目、ドローン全体では150機近くを失った、との説も>
ウクライナ軍が、ロシア軍の600万ドルのドローン(無人機)を破壊したと発表した。
ウクライナ軍参謀本部は12月21日にフェイスブックに行った投稿の中で、ウクライナ軍の防空部隊が一機600万ドルもするドローン「フォルポスト」を撃墜したと主張した。
本誌はこの件について、ウクライナ軍にコメントを求めたが、本記事の発行時点までに返答はなかった。
ロシア軍が保有する最も高価な偵察機のひとつであるフォルポストは、1980年代にイスラエル軍が遠隔監視用の航空機として使用したことで注目されるようになり、その後、アジアやヨーロッパの多くの国に輸出された。
フォルポストは一般に武器を搭載せずに使用され、現在も主に戦場で敵対勢力を監視するために使用されているが、ロシアは過去の戦闘で、武装バージョンも使用している。
フォルポストは、2019年にはシリアにも配備されている。ロシア国防省は、ウクライナへの軍事侵攻開始当初、武装バージョンの「フォルポストR」を使用してウクライナ軍の多連装ロケット弾発射システムを破壊する様子を撮影した動画をYouTube上で公開していた。
パトリオットも援軍にくる
ウクライナ軍がロシア軍のフォルポスト撃墜に成功したのは、軍事侵攻開始からこれで3回目となる。1回目は5月初旬、2回目は7月初旬だった。
ウクライナ側は14日にも、ロシア軍が爆発物を搭載したドローンを使って首都キーウを攻撃してきた際に、13機のドローン全てを撃墜したと発表。検証可能な写真や動画を元にウクライナ軍とロシア軍の装備の損失を記録しているオランダの軍事ブログ「Oryx」によれば、ロシアが軍事侵攻を開始してから失った無人機の数は、150機近くにのぼっている。
ロシアによるドローン攻撃が相次ぐなか、米連邦議会はウクライナに対する450億ドル規模の追加支援を含む歳出法案の可決を目指している。さらにジョー・バイデン米大統領は、21日にワシントンを訪問したウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領に対して、地対空ミサイルシステム「パトリオット」を供与することを直接伝えた
パトリオットはこれまで供与されてきた防空システムよりも「かなり高い高度で」巡航ミサイル、短距離弾道ミサイルや航空機を撃ち落とすことができる。
アントニー・ブリンケン米国務長官は声明の中で、「アメリカは今後も50カ国を超える同盟国や友好国と緊密に連携し、類まれな勇気と尽きることのない決意をもって自由と独立を守るために戦っているウクライナの人々を支援していくつもりだ」と述べた。