ソウル、悪化する住宅事情 半地下よりひどい「半部屋」マンション
格安物件は地下駐車場に
違法な建築で部屋数を増やすワンルームならぬ「ハーフルーム」マンションの部屋数を増やす方法はこれだけに限らないという。
新林洞(シンリンドン)にある、あるワンルームは敷金200万ウォンに家賃20万ウォン。ソウルとしては異常なほど安い部屋だが、不動産情報の備考欄には「駐車場の部屋」と書かれている。この建物を建築物台帳で確認したところ、地下1階に駐車場はあるものの住居はない。一体どのように作られた部屋なのか?
実際に建物の地下駐車場に入ると壁際にいくつものドアが並んでいる。倉庫にも見えるこの場所が、入居者募集中のワンルームだという。もともと部屋ではないので、ここにはトイレがない。トイレに入るときには駐車場を横切ってキッチンとユニットバスが一体になった共有スペースに行かなければならないという。
ネットで検索すると、こういった奇妙な構造のワンルームを簡単に見つけることができるという。キッチンにトイレの便器が一緒にある部屋、部屋を無理やり上下に分割してロフトを追加し、座ることすら大変な部屋......。
違法建築は摘発されるが......
こうした「ハーフルーム」マンションはどれも家賃が安いが、法的に問題はないのだろうか?
アン・ヒョンジュン元建国大学建築学長は「火災発生時など、本来各戸に設置されたスプリンクラーや避難通路を利用することになりますが、このように部屋を分割していると、2つのうちどちらかは利用できないでしょう。有効な取り締まりができていないと思います。摘発を受けても、罰金を払って違法建築をそのまま使用している場合がほとんどです」と指摘する。
実際にこうした「ハーフルーム」マンションに住んでいたという人に聞くと「私が思うに、あの部屋はただ1枚壁を付け加えただけのようです。隣の家の人が何を話しているのか、彼氏の名前まで私はすべて知っています。もう、あの家のことは考えたくもない」
ポン・ジュノ監督の映画『パラサイト 半地下の家族』では、半地下に住んでいた家族はエピローグで再び半地下で暮らしている姿が描かれていたが、果たして「ハーフルーム」マンションに住んだ人たちは、その後、どうなるのか? 韓国の厳しい住宅事情が改善される日が来るのはいつのことだろう......。