太田光が「統一教会信者にも言葉が届けばいい」と語る理由
米本は旧統一教会の脱会支援活動に対して、批判的なスタンスの著作を著していた。カルト宗教に反対する者もまた、強引な説得をしているというのが彼の主張の要点であり、連絡会の弁護士に対して公然と疑義を唱えてきた。そのスタンスをめぐり批判の多い人物でもあるが、山上容疑者は米本のブログにたびたびコメントを書き込んでいた。
どんな人々にも言葉が届けばいい
太田:ここは言葉の選び方をもっと慎重にするべきだった。「拉致」という言葉は、脱カルト支援をしている側の人々が現在「保護」であるとしている主張している部分である以上、あの場で口にするべきではなかったと思っている。でも、山上容疑者が最後に頼った人物である米本さんの本を読むことは、たとえその主張や取材方法が批判されていたとしても、俺としては当然のことだったと思う。どちら側の主張も知りたいというのが、本当の所だから。
彼は教会側の主張に一定の理解を示し、取材を元にかつての脱会支援に疑義を唱え「拉致・監禁」という言葉を用いた。しかし今現在そのような脱会方法が行われてないというのが支援者側の主張であり、米本さんが言う「拉致・監禁」はなく「保護・説得」であるということなのだから、片方の側のバイアスがかかった言葉を使うべきではないという指摘は納得出来る。
その後、俺の発言は旧統一教会の信者の間で、聞くべきものとされたらしい。従って、旧統一教会を利するような発言をするからダメだという批判も受けた。だけど、この批判については、あまり納得していない。確かに言葉の選び方は悪かったけど、俺は自分の言葉が旧統一教会の信者に届くのならば、それでいいと思っている。どんな人々にも言葉が届けばいい。そこを諦めたくはないよね(後編へ続く)。
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