米中間選挙:上院最後の議席を勝ち取った民主党、早くも直面した難題とは
2013年に21時間以上演説したクルーズ上院議員 SENATE TV-AP/AFLO
<ジョージア州の上院選の決選投票で民主党現職が勝利した。上院の過半数を獲得したものの、早くも難題に直面している状況だ>
米ジョージア州で12月6日に行われた連邦上院選の決選投票に民主党現職が勝利。民主党が改選前から1議席増の51(共和党49)で上院の過半数を獲得したことで、党内では一部の「造反」議員の影響力をそぐことができるとの期待が高まっている。
もっとも、民主党がかねてから求めていたフィリバスター(議事妨害)の廃止を実現できるかは疑わしい。長時間の演説で議事進行を妨げるフィリバスターを終わらせて採決に進むには60票の賛成が必要とされる。
共和党のフィリバスターによって重要法案の採決を拒まれてきた上院民主党は、この慣行を変更する規則改正をたびたび試みたが、党内保守派のジョー・マンチン議員とキルステン・シネマ議員の造反に阻まれてきた。
今回の選挙で過半数を得たとはいえ、2人の反対票を封じ込めるにはあと1議席必要だ。さらに9日にはシネマが無所属になる意向を表明。民主党の上院支配に変わりはないが、先行きは不透明だ。