すでにスタンバイ──中国との軍事的緊張が走る台湾で、市民も支持する防衛力強化とは
軍事訓練義務が4カ月から1年に延長される ANN WANGーREUTERS
<2013年に1年間の兵役が4カ月の軍事訓練に短縮されたが、それを1年に延長する計画が進む台湾。背景にはロシアによるウクライナ侵攻、そしてアメリカの「援護射撃」も>
中国との軍事的緊張が高まる台湾で、18歳以上の男性に義務付けられている軍事訓練の期間を4カ月から1年に延長する計画が進んでいる。
邱国正(チウ・クオチョン)国防部長(国防相)は12月7日、行政院(内閣に相当)が年内に計画を発表すれば2024年に新制度に移行できると明言。発表が来年にずれ込むと施行のタイミングが1年遅れるとして、早期決着に意欲を見せた。地元メディアは22日に発表される可能性があると報じている。
台湾では中台関係が比較的安定していた13年に、1年間の兵役が4カ月の軍事訓練に短縮された。だが、中台統一に反対する蔡英文(ツァイ・インウェン)政権は防衛力を強化する方針を強調。ロシアのウクライナ侵攻を受けて、訓練期間の延長を支持する世論の声も強まっている。
アメリカの援護射撃もある。12月8日に米下院で可決された国防権限法案には、23~27年に台湾に100億ドルの軍事支援を行う方針が盛り込まれた。台湾の市民が銃を手に中国軍と戦う日が来るのか。