最新記事

ロシア

初めて見た! プーチンの酔っぱらった姿...いつもと違う様子に「弱ささらした」の声

New video sparks speculation about "drunk" Putin

2022年12月9日(金)17時36分
ニック・モドワネック
ウラジーミル・プーチン大統領

Sputnik/Mikhail Metzel/Pool via REUTERS

<自分を厳しく律する男のイメージを大切にしてきたプーチンが、酒に酔っているとみられる動画に世界から驚きの声があがった>

普段ほとんど表情を変えることがなく、カメラの前では隙のない姿を崩すことのないロシアのウラジーミル・プーチン大統領。そんな彼が、酒に酔っているように見られる状態でウクライナとの戦争について語る映像が公開され、注目を集めている。ツイッターに投稿された動画に映るプーチンは、たしかにいつもの冷静な様子とは異なっているように見え、「弱さをさらした」などの声があがっている。

■【動画】こんな姿は見たことがない...酒に酔っているように見えるプーチン大統領

この動画を投稿したのはドミトリと名乗る人物で、「ウクライナのインフラ施設に対する攻撃を続ける理由について、酒に酔ったプーチンが説明している様子」という説明が添えられている。

動画の中でプーチンは、飲み物が入ったグラスを片手に「馬鹿げた考えや情報の停滞、情報の挿入、フェイクニュース――それら全てを脇に置くべきだ」と述べ、さらにこう続けた。「そんなものに、我々が国民への務めを果たす邪魔をさせてはならない」

プーチンはまた、ロシアがウクライナの重要インフラに対して繰り返し攻撃を行っていることについて「さまざまな雑音がある」と指摘した上で、国民が現在の状況を理解するために「詳しい事情を知っている」必要はないと主張した。

彼はウクライナを名指しせず「隣国」とのみ言及して、「確かに我々が(インフラへの攻撃を)やっている。だが最初に始めたのは誰だ?クリミア大橋を攻撃したのは誰だ?」と述べて、クリミア大橋爆破のような行為はジェノサイド(集団虐殺)だと非難した。「クルスク原子力発電所の送電塔を爆破したのは誰だ?ドネツクへの水の供給を止めているのは誰だ?」

初めての「ありのままの姿」

モスクワ在住のジャーナリストであるアンナ・ネムツォーワは、プーチンが酒に酔った様子を捉えたとみられる動画が出回ったのは、大統領になって以降、初めてのことだと次のようにツイートした。

「この20年、私たちは演出された(やらせの)写真や動画を数多く見てきた。上半身裸で乗馬をしているプーチンや、ダイビングをした際に古代ギリシャの壺を発見したプーチン、渡り鳥と一緒に空を飛ぶプーチン、少年のお腹にキスをするプーチンなどだ。だがロシアのミサイルが隣国を攻撃したことについて、酒に酔った状態で演説をした動画は、演出ではなく彼のありのままの姿のはずだ」

カナダ国営放送(CBC)のジャーナリストであるエバン・ダイアーは、「プーチンが公の場で酒に酔っている姿を見るのは、とても奇妙」だと述べた。「大酒飲みが多い国で常にしらふでいることこそ、彼のイメージにとって重要なはずだ」とツイートし、さらに「そこが、彼が自分とボリス・エリツィン(元大統領)を明確に区別している部分だった。だがこの動画の中の彼は、明らかに酔っている」と続けた。

エコノミスト兼執筆家のアンダース・オスルントも、プーチンが「どんな状況であれ酔っている」のを見たのは初めてだと語った。

「彼はいつも通り滅茶苦茶なことを言っているが、自分が敗者であることに気づいているように見える」と彼は述べ、さらにこう続けた。「とても興味深いし希望が持てる。彼が酒に酔って弱さを見せたところを、全てのロシア国民が目にすることになる」

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

米副大統領、グリーンランド訪問 「デンマークの保護

ビジネス

米ミシガン大消費者調査、5年先インフレ予想4.1%

ワールド

米関税に「断固たる対抗措置」、中国国営TVが短文サ

ビジネス

米2月PCE価格+2.5%、予想と一致 スタグフレ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジェールからも追放される中国人
  • 3
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中国・河南省で見つかった「異常な」埋葬文化
  • 4
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 5
    なぜANAは、手荷物カウンターの待ち時間を最大50分か…
  • 6
    アルコール依存症を克服して「人生がカラフルなこと…
  • 7
    不屈のウクライナ、失ったクルスクの代わりにベルゴ…
  • 8
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 9
    最悪失明...目の健康を脅かす「2型糖尿病」が若い世…
  • 10
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えない「よい炭水化物」とは?
  • 4
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 5
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 6
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 7
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大…
  • 8
    大谷登場でざわつく報道陣...山本由伸の会見で大谷翔…
  • 9
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 10
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 6
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中