生きているうちにこの言葉を聞くとは...中国・反政府デモで、天安門の悪夢が蘇る
The Crackdown Begins
2日目の27日、上海在住のプロデューサーのローズは別のデモに参加した。中国国内で検閲されているソーシャルアプリのテレグラムで抗議する呼びかけを見て、市内の中心的なショッピングエリアである新天地に行くと、既に警官が配備されていて、起こり得るあらゆる騒動を取り締まる準備をしていた。
「至る所に警官がいる。人とすれ違うたびに視線を合わせ、呼び止めて携帯電話をチェックするときもある」
27日の成都や28日の杭州のデモでは、警察による慎重かつ組織的な実力行使や残虐な行為が目撃されている。
参加者に警察から電話
フリーランサーのツォンは、27日に友人2人と地元の成都市内の望平街でデモに参加。彼女が到着したときには、制服と私服の警官が数千人のデモ参加者に「帰れ」と促し、従わない人々を殴っていた。
「私は警官に50メートルほど引きずられた。下着が丸見えになった」。ツォンは他の参加者が逮捕されるのを阻止しようとして、目をつけられたのだ。「警官は私を大通りから引きずり出し、挑発的な行動を取ったと非難した」
警官が別の現場から呼ばれた隙を見て彼女は逃げた。しかし、一緒に行った友人は混乱の中で警察に連行され、24時間以上、拘束された。
29日の時点で、政府はデモ参加者を盛んに追跡している。北京在住者の多くは警察から電話がかかってきて、今後は参加しないように警告を受けた。警察に拘束された人々は、携帯電話を取り上げられて詳しく調べられたと語っている。
警察は中国国内に普及している監視カメラや携帯電話の位置追跡を利用したのだろうとみられている。主要都市の路上で警官が人々の携帯電話を調べ、抗議活動に関するコンテンツや外国のアプリ、仮想プライベートネットワーク(VPN)を使用した形跡を探しているという噂も広まった。28日の夜には、抗議活動は地方都市でロックダウン(都市封鎖)に反対する人々だけになったようだ。
「国はさまざまな機関や地方自治体の指導部と共に、抗議活動への対応を調整するためにかなりの資源を投入している」と、スコギンズは言う。「地方、省、国のレベルでそれぞれ準備は万全だ」
ただし、歴史的に敏感な存在である学生や少数民族グループなどが関わる高レベルの行事があるため、国としては簡単にはいかないと、スコギンズは指摘する。そして、学生主導の民主化デモを鎮圧するために政府が軍隊を派遣し、天安門広場で流血の弾圧が行われたことを引き合いに出して次のように語る。
「1989年のような事態にはならないだろう。それよりはるかに可能性が高いのは、夜間外出禁止令や警察のプレゼンスの強化などの手段を用いて、現場の部隊が公の場で弾圧せざるを得ない機会をできるだけ減らし、異論を静かに鎮圧しようとすることだ」
「これ以上、状況を悪化させないために、現場の警察や国家機関は慎重に行動しなければならない」
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