「下の下だ」撤退ついでに公園の遊具まで持ち去るロシア軍を偶然カメラが捉えた
Russians Spotted Stealing Children's Amusement Park Train in Ukraine—Video
ロシア軍に荒らされ略奪されたチェルノブイリ原発近くのオフィス(4月16日) Gleb Garanich-REUTERS
<金目のものや家電製品の略奪なら見慣れたものだが、公園のミニ列車まで持ち去るのはさらに下劣と、ウクライナ政府幹部は憤る>
ウクライナに侵攻したロシア軍の兵士たちが、遊園地の遊具である列車を盗んでいくところとされる動画が、ソーシャルメディアで拡散している。ロシア軍とウクライナ軍の激しい攻防戦が続く南部の要衝ヘルソン市でのことだ。
もともとの動画は、TikTokユーザー「alenakherson」が11月6日に投稿したもので、2万5000回以上視聴された。さらにツイッターに拡散されると、視聴回数はのべ20万回を超えた。
ウクライナ内務省のアントン・ゲラシチェンコ顧問も、自身のツイッターアカウントで、この動画を共有した。コメントには「ロシア兵は、ヘルソンから子ども用の列車まで盗んだ」とある。
ゲラシチェンコによれば、ロシア兵はすでに18世紀ロシアの名将ポチョムキンの遺骨をヘルソンから持ち出した。洗濯機などの家電製品を盗む光景はもう珍しくもない。だが子供用のミニ列車まで略奪するとは「下の下だ」と、ゲラシチェンコは非難した。
問題の映像は、ロシア軍の車両とは反対車線を走る人物が撮影した。
映像では、ワゴン車が通り過ぎた後、カメラに近づいてくる車列の中に、遊園地で子どもが乗る列車が認められる。
本誌は現時点で、この映像が撮影された時期や場所、さらにはこの乗り物を運転しているのが本当にロシア軍の兵士なのか、独自に確認はできていない。
侵攻直後から略奪開始
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の命によりロシア軍が2月24日にウクライナに侵攻するやいなや、ロシア兵たちの度重なる略奪や窃盗が報告された。
侵攻開始からわずか3日後には、ロシア軍の部隊がウクライナの銀行や食料品店を略奪する様子とされる動画が、ソーシャルメディア上で拡散し始めた。
2月末には、ロシア軍の兵士がウクライナのヘルソン州にある銀行に押し入り、金庫を盗む様子が投稿された。アメリカ人ジャーナリストのアレック・ルーンがコメントで、情報源はウクライナ軍と伝えている。
その後も、現在ロシアに占領されたウクライナの各地域で、ロシア軍の部隊が略奪を行っているとの報告が相次いでいる。