ドイツ車の約4割は中国製──やめられないドイツの中国依存
Scholz’s Business Trip
対中ビジネス外交に回帰
とはいえ、政権内部も一致しているわけではない。緑の党とFDPは、連立協定に基づき、厳しい対中政策を推進しているが、ショルツはそれほど前向きではないようなのだ。その対立が露呈したのが、ドイツ最大の港湾であるハンブルク港の権益問題だ。
中国の国有海運最大手・中国遠洋運輸(コスコ)が、同港の4つのターミナルの1つに出資しようとしたところ、緑の党とFDP(と6つの省庁)が猛反対。だが、ショルツは賛成の意向を示し、最終的に渋る連立パートナーに妥協案をのませた。かつてハンブルク市長を務めたショルツは、中国の李克強(リー・コーチアン)首相に、ハンブルクは「ヨーロッパにおける(中国の)母港」だと語ったこともある。
それだけに、11月初めにショルツがドイツ企業幹部を多数引き連れて中国を訪問したときは、ドイツがビジネス寄りの対中政策に回帰したらしいことを印象付けた。
緑の党のアンナレーナ・ベアボック外相率いる外務省は今、ドイツの新しい対中戦略を策定している。早ければ23年春にも発表される予定だが、果たしてそこに連立協定が反映されるのか、注目される。
From thediplomat.com