G20首脳会合、注目は全体会議より米中などの個別会談 プーチンは出席見送りか
G20参加を呼びかけるため6月にロシアのプーチン大統領と会談したインドネシアのジョコ大統領だったが…… REUTERS
<激動する世界情勢のなか、各国の歩み寄りは可能なのか?>
11月15、16日にインドネシアのバリ島で開催されるG20首脳会合では、全体会議とは別に各国による二国間会議など個別の外交交渉が展開される見通しで国際社会の注目を集めそうだ。
インドネシア外交当局によると、11月7日現在でG20メンバー20カ国のうちこれまでに18カ国の首脳が参加を表明しているという。
日本の岸田文雄首相をはじめ米バイデン大統領、韓国の尹錫悦(ユン・ソンヨル)大統領、そして中国の習近平国家主席らが出席予定者に名を連ねている。
なかでもバイデン大統領と習近平国家主席による米中首脳会談が現在水面下で調整中とされ、もし実現すればこの両首脳による対面での直接会談が初めて実現することになるという。
一方で、G20のメンバーであるロシアのプーチン大統領はこれまで参加を明言しておらず、現段階で参加は微妙であり、一部では首相の代理出席が検討されているとの情報もでている。
議長国であるインドネシアのジョコ・ウィドド大統領はG20への参加をプーチン大統領とともにウクライナのゼレンスキー大統領にも打診しているが、G20メンバーではないゼレンスキー大統領の出席はウクライナでの戦況次第という部分もあり、オンラインでの参加に向けて調整が続けられているという。
事務レベルで米中会談実現へ調整中
10月30日、米ブリンケン国務長官と中国の王毅外相が電話会談したと米国務省が明らかにし、G20首脳会合に合わせて米中首脳会談を開催する方向で調整が進んでいるとの見方が強まった。
また11月1日には米国家安全保障会議(NSC)のカービー調整官がバリ島での米中首脳会談実現に向けて事務レベルでの調整が進んでいることを明らかにし、会談実現への期待が一気に膨らんでいる。
米政府は8月にペロシ下院議長が台湾を訪問したことで緊張が高まった米中関係を、意思疎通を維持しつつ緊張緩和への道筋を探りたいとの意向があり、中国側も偶発的な衝突回避とともに「両国関係に新たな障害を作り出すべきではない」(王毅外相)との思いがあり、米中首脳会談実現に向けた土台は固まりつつあるといわれている。