【映像】クリミアとロシア結ぶ橋で爆発、3人死亡 供給路に打撃
クリミア大橋が爆発する瞬間 The Sun / YouTube
ロシアが2014年に併合したウクライナ南部のクリミア半島とロシア本土を結ぶクリミア大橋で8日早朝、大規模な爆発が発生した。ロシアにとってはウクライナに展開する部隊への重要な供給ルートへの打撃となる。
ロシアの国家反テロ委員会は、午前6時7分に貨物トラックが爆発したと発表。橋の道路部分が2カ所崩壊したが、黒海とアゾフ海を往来する船舶が通る水路にかかるアーチは損傷していないという。画像では道路橋の半分が崩落している。
ロシアのプーチン大統領は、クリミア大橋と半島に電気とガスを供給するインフラの安全強化を指示。また、調査委員会の設置も命じた。
当局によると、爆発で近くを走行していた車に乗っていたとみられる3人が死亡した。また、燃料輸送列車7両も炎上した。
車両の通行道路は爆発から約10時間後に制限付きで再開され、運輸省はその後に鉄道の再開も認めた。
爆発が攻撃かどうかはまだ明らかではないが、ロシアがウクライナの戦況で劣勢に立たされる中、こうした大規模インフラへの被害は作戦が計画通りとするロシアの主張がさらに揺らぐことになる。
ロシアが統治するクリミアのアクショーノフ首長は、半島には1カ月分の燃料と2カ月分以上の食料があると指摘。また「状況は管理可能だ。不愉快だが、致命的ではない」と記者団に述べた。
ウクライナのゼレンスキー大統領は8日のビデオ演説で、爆発には言及せず、クリミアは曇っていると指摘。「ただ、どんなに曇っていてもウクライナ人は知っている。私たちの未来は晴れだ。これはわれわれの領土全体、特にクリミアに占領者のいない未来だ」と述べた。
また、ポドリャク大統領顧問は直接の関与には言及せず、これは「始まり」で「違法な物は全て破壊する必要がある」などとツイッターで表明した。さらに、トラックがロシアからクリミアに向かっていたことから、爆発にはロシア人が関与したことを示していると述べた。
クリミア大橋は全長19キロ。クリミアをロシアにつなぐ自動車と鉄道の専用橋で2018年に開通し、開通式にはプーチン大統領も出席した。