陰謀論のQアノンをSNSで煽るトランプ──1日で50本連投も
In QAnon Renaissance, Conspiracists Feast on Trump-Biden War of Words
議事堂襲撃1周年に「QAnonのシャーマン」に扮した男(1月6日、ニューヨーク) Carlo Allegri-REUTERS
ジョー・バイデン米大統領との対立が激しさを増すなか、ドナルド・トランプ前米大統領はソーシャルメディアで勢いを取り戻しつつある「Qアノン」を煽るような投稿を行っている。
Qアノンは極右の陰謀論集団で、信奉者たちはトランプが大統領として、多くの著名な民主党議員やセレブリティを含む邪悪な小児性愛者の「秘密結社」を逮捕・処罰すると信じている。きわめて信ぴょう性に乏しい説で、これを裏づける具体的な証拠は一切示されていない。
トランプは8月末、自ら立ち上げた新たなソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」上で、数十件の「リトゥルース(再投稿、ツイッターの「リツイート」にあたる)を含め、24時間のうちに50件以上の投稿を共有した。そのうち幾つかは、Qアノン関連のアカウントから発信されたもの、あるいはQアノンの特徴的な言葉が盛り込まれた投稿だった。
トランプがQアノンをここまで直接的に擁護したのは、おそらくこれが初めてだろう。Qアノンの信奉者たちは、しばらく鳴りを潜めていたが、最近はバイデンとトランプの対立に乗じて再び勢いづいている。
FBI、CIA、NSAを批判
今回トランプが共有したある投稿には、「ディープ・ステート(アメリカを動かす影の政府)がトランプ大統領に『お前はストーム(嵐)に耐えられないだろう』と言うと、大統領は『私がストームなのだ』と言い返した」、いう文章が記されていた。Qアノンが言う「ストーム(嵐)」とは、トランプが著名な民主党議員を含む小児性愛者たちの逮捕を命じる瞬間のことだ。「ストーム」の到来はこれまでも何度も予想されてきたが、まだ一度も成就していない。
ウェブメディア「ポリティコ」のカイル・チェイニー記者によれば、トランプは後に削除したとみられる別の投稿の中で、2017年のQアノンのウェブサイトへのリンクを共有していた。
そこには次のように書かれていた。「合衆国憲法のどの条文を使えば、大統領は3文字機関(FBI、CIAとNSA)の捜査を軍部に引き継がせることができるのか。政府の中で唯一腐敗を免れ、大統領に直接仕えるとても重要な勢力が失われてしまった」
Trump is spending his morning on Truth Social directly posting 4chan and Q messages, a day after calling to be reinstated as president. He's doing explicitly what he used to try to shade or use coded language for. pic.twitter.com/ksCMJnJ8KW
— Kyle Cheney (@kyledcheney) August 30, 2022