最新記事

英王室

「女王への侮辱」「塗り潰せ!」 エリザベス女王を描いた壁画が下手すぎると騒動に

'Absolutely Dreadful': Internet Reacts To New Queen Elizabeth Mural in London

2022年9月16日(金)17時43分
サラ・サントラ
エリザベス女王

バッキンガム宮殿に置かれた献花に添えられた女王への手紙(9月13日) Phil Noble-Reuters

<女王への敬意を表し、地元の子供たちに楽しんでほしいと芸術家夫妻が描いたエリザベス女王の壁画だが、出来栄えに不満を持った人は多かったようだ>

英ロンドン西部の地下鉄駅近くに描かれたエリザベス女王の壁画に対し、「あまりにも似ていない」「怖すぎる」などとして、インターネット上で撤去を求める声が多く上がっている。

■【写真】「あまりにも似ていない」と批判されたエリザベス女王の壁画

報道によると、この壁画はアーティストのジグネッシュ・パテルとヤッシュ・パテル夫妻が、9月8日にスコットランドのバルモラル城で死去したエリザベス女王に敬意を表し、ハウンズロー・イースト駅近くに描いた。

ジグネッシュは壁画について、「私たちは女王を愛しており、女王が亡くなって、敬意を表するべきだと思った」とBBCに語った。「(壁画は)そのユニークな方法だ。ハウンズロー地区には創造性が欠けている」

BBCによると、パテル夫妻が壁画を描いたのは、キングスレー・ロードにある2階建ての建物の側面。地下鉄の駅から出た人が、最初に目にする位置にある。夫妻はこの作品が「今後何年にもわたって、地域の重要な一部となる」ことを願っていると話す。

「子供たちにインスピレーションを与え、壁画を楽しんでもらうことができれば、地域社会に影響を残すことができる」と、ジグネッシュは述べている。

「侮辱だ」「塗りつぶして」と批判殺到

ハウンズロー地区の人々がこの壁画についてどう感じているかは、明らかではない。しかし、ネット上では、女王とは似ても似つかない「実にひどい」作品だとして、すぐに撤去されるべきだといった声が上がっている。

地元メディア「レスターシャー・ライブ」が壁画についてFacebookに投稿すると、あるユーザーは「女王に似ていない! やや無礼な気がする! 彼らが今できる最善のことは、塗りつぶすことだ」とコメント。別のユーザーも「実にひどい。塗り替えてほしい」と賛同した。

「これは、女王の思い出に対する侮辱だ(中略)これよりもずっと優れた作品を描く才能あるアーティストは大勢いる」という意見や、「ひどい! まるで彼女がギネスを6杯飲んだ後にバーから這い出てきたようだ。我々の女王に対する侮辱だ」「衝撃的なほどひどい! 頼むから塗り替えて!」と非難する声もある。

英国君主として歴代で最も長く在位した女王に対しては、世界中の人々がさまざまな形で敬意を表している。

ネットフリックスのドラマ『ザ・クラウン』のシーズン3と4でエリザベス女王を演じた女優のオリビア・コールマンは、女王の死についてバラエティ誌にこう語った。「彼女は若い時に誓いを立て、威厳を持ってそれを完全に守った。私たちは皆、彼女の行いに強く感銘を受けている」

女王の死去が発表された数時間後には、バッキンガム宮殿の外に何千もの人々が花を手向けた。また、多くの世界のリーダーが、ソーシャルメディアを通じて敬意を表した。

そのうちの1人、バラク・オバマ元米大統領は、「多くの方々と同様、(妻の)ミシェルと私は女王陛下の献身的なリーダーシップを目の当たりにできたことに感謝し、疲れを知らない、威厳ある公への奉仕に畏敬の念を抱いている。この困難な時期に、私たちの心は陛下のご家族と英国民と共にある」とTwitterに投稿した。

20250225issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年2月25日号(2月18日発売)は「ウクライナが停戦する日」特集。プーチンとゼレンスキーがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争は本当に終わるのか

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中