最新記事

訃報

エリザベス英女王が死去、96歳 在位70年で最長

2022年9月9日(金)08時11分
エリザベス英女王

エリザベス英女王(写真)が8日死去した。96歳だった。2012年2月撮影(2022年 ロイター/Eddie Mulholland)

エリザベス英女王が8日死去した。96歳だった。バッキンガム宮殿は声明で「女王は8日午後、英北部スコットランドのバルモラル城で安らかに息を引き取った」と明らかにした。

エリザベス女王は1952年2月、父ジョージ6世の病死に伴い、25歳の若さで即位。今年6月には在位70年を記念する祝賀行事「プラチナ・ジュビリー」が行われ、英歴代君主として最長となった。

女王の死去に伴い、長男のチャールズ皇太子(73)が国王に即位した。

チャールズ新国王は「多くの人に愛された女王の死を深く悼む。女王の死は、国や英連邦、そして世界中の無数の人々に偲ばれると思う」と述べた。

英王室は8日、エリザベス女王の健康状態を医師らが懸念し、医師の観察下に置かれることを推奨したと発表。チャールズ皇太子と妻カミラ夫人、孫のウィリアム王子のほか、長女のアン王女、次男アンドルー王子、三男エドワード王子が女王が滞在していたバルモラル城に向かった。

女王は昨年末から「一時的な歩行困難」を理由に、行事や公務への出席を控えていた。女王にとって最後の公務となったのは6日のトラス新首相の任命だった。トラス首相は「女王陛下の死は、国民と世界に大きな衝撃を与えている」と語った。首相官邸やロンドン市内の政府の建物には半旗が掲げられた。

女王はメディアのインタビューに応じることはなく、よそよそしいと批判を受けることもあった。しかし、大多数の人々にとって女王は唯一の君主であり、尊敬と称賛を集める存在だった。

ジョン・メージャー元首相は「公務において女王は無私かつ賢明であり、素晴らしい寛大な精神を持っていた。それが女王の生き方であり、統治法だった」と、述べた。

世論調査によると、チャールズ新国王はエリザベス女王と同等水準の支持を得られていない。女王を失ったことで、特に英連邦の一部地域で共和制への移行機運が高まるのではないかという憶測もある。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏とゼレンスキー氏が「非常に生産的な」協議

ワールド

ローマ教皇の葬儀、20万人が最後の別れ トランプ氏

ビジネス

豊田織機が非上場化を検討、トヨタやグループ企業が出

ビジネス

日産、武漢工場の生産25年度中にも終了 中国事業の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口の中」を公開した女性、命を救ったものとは?
  • 3
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 4
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 5
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 6
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 7
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 8
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 9
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 10
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 3
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 4
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 8
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 9
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 10
    【クイズ】世界で最もヒットした「日本のアニメ映画…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中