石を使って自慰行為をするサルが観察される
Scientists Discover Monkeys Use Stones as Sex Toys
ヒト以外の動物が石などの道具を使って自慰行為を行う事例はこれまでほとんど報告されていないが、道具の使用そのものは、多くの動物で観察されており、知能の高さを示す指標の1つとなっている。
かつては道具の使用はヒトだけが持つ能力と見られていたが、食べ物を得るための本能的な使用(用途が限定される)から、霊長類に見られるような群れ全体にイノベーションをもたらす問題解決型の使用まで、レベルの差はあれ、ヒト以外の動物も様々な形で道具を使うことが分かっている。
しかし性的快楽のための道具使用を調べた動物行動学の先行研究は皆無に等しく、報告事例もわずか数例しかない。ウガンダでチンパンジーの若い雄が捨てられたペットボトルを使って自慰行為をしていたケースはその1例だ。
レスブリッジ大チームによれば、ヒト以外の霊長類では、自慰行為の目的は必ずしも性的なオーガズムではないため、ペニスの勃起やその持続時間の計測など身体的な変化を調べなければ、性器や鼠けい部を石でたたいたりこすったりすることが性的快楽を得るための道具使用かどうかは分からない。
道具使用の進化にも示唆
「私たちの研究が示唆しているのは、適応的価値に疑問がある道具使用」、つまり生存や繁殖に直接的に役立つとは思えない道具使用は、「遊びや性的行為の根底にあるような、快感をもたらす自己報酬メカニズムにより、進化の歴史を通じて維持されてきたと考えられることだ」と、論文は結論づけている。
「この研究結果は、道具の使用は(環境が提供する刺激により動物の行動が引き出される)『アフォーダンス学習』を通じて、特定の用途・機能を持たない初期の使用から、段階的に進化してきたという見解を裏付けている」
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