英春季財政報告、財政先行きの厳しさ反映=ムーディーズ

3月28日、格付け会社ムーディーズは、リーブス英財務相(写真)が26日発表した予算責任局(OBR)の春季財政報告に関し、予算に余裕を持たせるために歳出増加計画を圧縮したことは財政の先行きが厳しいことを反映していると指摘した。3月26日、ロンドンで撮影。イギリス庶民院提供(2025年 ロイター)
[28日 ロイター] - 格付け会社ムーディーズは28日、リーブス英財務相が26日発表した予算責任局(OBR)の春季財政報告に関し、予算に余裕を持たせるために歳出増加計画を圧縮したことは財政の先行きが厳しいことを反映していると指摘した。一方、予算の余裕を回復するための措置については前向きな見方を示した。
ムーディーズは、リーブス氏の発表について「今年10月に発表する予算案で歳出をさらに削減するか、新たな歳入増加策を盛り込まなければならない重大なリスクがある」とコメントした。また、英国の経済成長は軟調に推移する公算が大きく、リーブス氏が年次予算案で財政安定化のために再増税を余儀なくされる可能性が高まり、そうなれば労働党政権の公約と矛盾することになると強調した。
ムーディーズは今回の春季財政報告について、全体として英国への信頼性と財政再建が困難になるとの見方や、公的債務が高水準で推移するとの見通しを大きく変えるものではないと言及した。