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ウクライナ戦争

【調査報道】ロシア軍を「戦争犯罪」で糾弾できるのか

ARE THEY WAR CRIMES?

2022年8月17日(水)17時50分
ウィリアム・アーキン(元米陸軍情報分析官)

まんざら間違いではない。この戦争の犠牲者には、準備もなく偽情報を吹き込まれてやって来た無数のロシア兵がいる。

実際、最初に戦犯としてウクライナの法廷で裁かれ、終身刑を言い渡されたのは21歳の未熟な若者だ。ロシア陸軍の兵士ワジム・シシマリン。2月28日に、ウクライナ北東部の村で62歳の民間人を殺害した後に捕らえられた。

シシマリンは法廷で、この男性が携帯電話を使っていたので、ウクライナ当局に自分たちの存在を通報しているのではないかと思い、身の危険を感じた、それで上司に撃てと命令され、そのとおりにしたと話した。

ウクライナの法廷は、シシマリンが「計画的な殺人により戦争に関する法律と慣例に反した」として終身刑を言い渡した。若いとはいえ「平和、安全、人道、国際法秩序に対する罪」を犯した以上、終身刑は免れない。裁判長はそう宣告した。

「あのときは自分じゃなかった。殺すつもりはなかった。でも、ああなってしまった」

最後に発言を許されたシシマリンは言った。

どこに「戦争犯罪」の線を引くべきかは、霧に包まれている。

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