韓国ユン大統領、就任3カ月で支持率30%割り込む不人気 検察改革への横槍や与党内紛に国民うんざり
大統領就任式でのユン・ソクヨル大統領 Jeon Heon-Kyun/ REUTERS
<史上まれにみる大接戦を制して大統領になった男は、早くも国民から見放された?>
何事につけてもせっかちな気質と言われる韓国国民。だが、5月10日に就任した尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領への支持率低下の早さは異常だ。
世論調査会社・韓国ギャラップが29日に発表した世論調査では尹大統領を支持率は28%と就任3カ月で初めて30%を割り込んだ。前週からは4ポイントのダウンだった。また、1日に世論調査会社のリアルメーターが発表した世論調査でも7月29日付調査で支持28.7%、不支持68.5%となった。JTBCなど韓国メディアが伝えた。
朴槿恵元大統領の支持率が30%を下回ったのは就任から約2年後。文在寅前大統領は就任から4年後に30%を下回ったことを考えると、現在の尹大統領の不人気ぶりが突出していることがわかる。
さらにギャラップの世論調査では尹大統領を「支持しない」と回答した人は、前週より2ポイント上昇し62%となった。6月第2週はまだ30%台前半だった不支持が、1カ月あまりで倍増したことになる。
ユン大統領、不人気の理由は?
今回の世論調査で、尹大統領を支持しない理由について質問したところ、「人事」(21%)が最も多く、ほかに「経験と資質の不足・無能」「経済・国民生活を顧みない」「独断的・一方的」(各8%)などが挙げられた。
またその他の理由として「警察局の新設」「テレグラムメッセージの流出」という今、韓国政界で一番注目されている問題が回答された。世論調査でこのように個別の事案が回答されるのは極めて異例だという。日本ではまだあまり報じられていないこの「警察局の新設」「テレグラムメッセージの流出」問題とはどういうものなのか説明したい。
文政権の検察改革を反故にする警察局設置
尹政権は中央政府組織の行政安全部の中に警察を統括する「警察局」を新設することを7月26日閣議決定した。これはわずか3カ月前に文在寅前政権が公布した検察から捜査権のほとんどを剥奪する法律(改正検察庁法、改正刑事訴訟法)を無力化するための「報復」措置だった。