インド政府が進める言論封殺に従ってきたTwitterが、明確な拒絶
また、特定政党の公式アカウントによるツイートに対し削除命令を出すなど、言論の自由を侵害しているとの批判が絶えない。政治問題では、シーク教による独立国家を支持するアカウントの閉鎖命令を下している。
人口伸びるインドは魅力的な市場だが......
IT法をめぐり、Twitter社とインド政府の溝は深まるばかりだ。米ニューヨーク・タイムズ紙は、Twitter社以外にも複数のソーシャルメディア企業が同法に反発していると報じている。各社は人口の伸びの著しいインドを長期的な成長に欠かせない存在として捉えながらも、厳しい言論弾圧に懸念をにじませる。
業界内では、同法が不適切なものであるとの声も根強い。IT法はインド政府に批判的な人々を広範に検閲する権限を与えるとの批判がある。例えばメッセージアプリのWhatsAppは、ユーザーのプライベートなメッセージを政府関係者が閲覧できるようにするよう求められている。
エコノミック・タイムズ紙はIT業界のデータを開示する透明性レポートをもとに、インドは政府によるコンテンツ削除要請が世界で最も多い国だと報じている。
一方でインド政府関係者は、ネット上のフェイクニュースに対応するうえで、同法は必要不可欠であると主張している。Twitter社による司法審査請求を受け、現地のIT技術相は記者会見し、「国会を通過した法律に従うことは、あらゆる人々の責務である」と強調した。
Twitter社は過去数年間、言論封殺に抵抗姿勢を示してきた。IT法への反発は今回の司法審査請求が初となる。司法審査の結果によっては、今後ほかのIT企業も言論の自由へのうねりに加わる可能性がありそうだ。