ヘンリー王子が自伝を執筆中──新たな「爆弾投下」に戦々恐々のイギリス王室
A Sensational Royal Story?
バッシング続きのヘンリーが自ら真実を語る KARWAI TANGーWIREIMAGE/GETTY IMAGES
<今年後半にも出版されるという、ヘンリー王子の回顧録。「正確かつ完全なる真実の物語」には、何が書かれるのか? 衝撃度予測で大沸騰する、イギリス世論>
英ヘンリー王子が今年中にも出版すると発表した回顧録は、どの程度センセーショナルになるのか──イギリスはそんな噂で持ち切りだ。ヘンリーは「自らを形作った経験、冒険、喪失、そして人生の教訓を明確に説明する」べく執筆を進めているという。
ヘンリーが果たして王室への爆弾を投下するのだろうかと英メディアは推測を重ねるが、ヘンリー自身は「正確かつ完全なる真実の物語を直接自分で語る」と公言している。昨年7月の段階では、回顧録の刊行は「2022年後半」とされたが、いまだ正式な出版日は発表されていない。
発表から1年がたち、期待が高まるなか、英チャンネル5の討論番組でその内容について出演者が(勝手な)意見を戦わせた。ガーディアン紙コラムニストのオーウェン・ジョーンズは、「ヘンリーが回顧録で発言することを批判する人々は、普段は表現の自由を声高に叫んでいる人々だ」と言う。
「彼らは『人は言いたいことを何でも発言できるべき。でもヘンリーは話しては駄目』とでも言うかのようだ。ヘンリーだって望むことができるはず」
ラジオ司会者マイク・パリーは出版社との巨額契約金について触れ、「出版界では何億部もの売り上げが見込めなければ数千万ドルは出さない。故に、内容はセンセーショナルになる」と言う。
これに応じたのは、司会のクラウディアリザ・バンデルプイエ。「ヘンリーは『朝起きて、卵のせトーストを食べた』程度のことを書いて、それでも原稿料は3000万ドル、という可能性だってあると思う。彼は超有名人だから」
出版社の発表からは王室批判が描かれるのかどうかは読み取れないが、ヘンリーがメディアからの批判に応えようとしている様子は見て取れる。
プレスリリースはこう言及する。「公務や2度のアフガニスタン前線を含む軍務経験、夫や父になった喜びなど、子供時代から現在に至るまでの彼の人生を明らかにすることで、率直かつ魅惑的な人物像を明らかにし、読者が知ったつもりになっていたヘンリー像の裏に心動かされ勇気づけられる物語が潜んでいることを示したい」
いかにも真摯な宣言だが、それでも王室関係者は戦々恐々、英メディアが浮き足立つ状況は出版まで続きそうだ。