ロシアの「嘘」がバレた動画...やはり問題のクラスター弾搭載ミサイル配備していた
Russian Official Accidentally Reveals Missiles Being Used in Ukraine
クラマトルスクの駅近くに残されたミサイルの残骸、側面にはロシア語で「For the children」と書かれていた(2022年4月8日) Stringer-REUTERS
<多数の民間人が犠牲になった4月ミサイル攻撃への関与を否定していたロシアだが、問題のミサイルが運搬される姿を映した動画が拡散される>
4月8日、ウクライナ東部ドネツク州クラマトルスクの駅にミサイルが撃ち込まれて、避難のため集まっていた子供を含む市民ら50人以上が死亡した攻撃について、ロシア側が「嘘」をついていた可能性が高まった。ロシア国防相はこれまで、攻撃に使われたミサイル「トーチカU」をロシア軍は配備しておらず、ウクライナ軍だけが使用しているとして、駅への攻撃はロシア側によるものではないと関与を否定していた。
しかし、元ロシア軍幹部でウクライナ東部の親ロ派武装勢力を率いていたイゴール・ガーキン氏は12日、ロシア軍がウクライナに対して短距離弾道ミサイル「トーチカU」を使用していることに言及し、意図せずロシア政府の「嘘」を証明してしまったようだ。
■【動画】ロシア軍元幹部が図らずもロシアの「嘘」を暴いた動画が拡散
ソーシャルメディア上で「ストレルコフ」と名乗っているガーキン氏は、「ウクライナが(東部)ルガンスク州に近い空軍基地を破壊した」と自身のテレグラムチャンネルで発言。それとともに、ソーシャルメディアで拡散されている映像に触れ、自軍のトーチカUの発射装置を隠せていないとして、ロシア軍への非難も行った。
ガーキン氏は映像について、「白昼堂々、少しも隠すことなくトーチカUを積んだ列車が(ロシアの)トゥーラ地方を南下するまれな映像だ」と述べた。
ガーキン氏は「戦車や歩兵戦闘車のカモフラージュについて言うと、ロシア国防省がカバーやネットを十分に持っていないのであれば、それほど必要ではない。しかし、ミサイルシステムは(旧式でも戦闘可能なものでも)敵軍にとって重要な標的となる」とし、ロシア軍司令部の失態だと指摘した。
ロシアはすでにトーチカUを使用していないと主張
ロシア政府のドミトリー・ペスコフ報道官は4月8日、同軍がクラマトルスクの駅をトーチカUで攻撃したとウクライナ当局から非難されたことを受け、同ミサイルの使用を否定していた。
「何よりも、ロシア軍がこのミサイルをすでに使用していないとする(ロシア)国防省の声明に沿って判断する必要がある」とペスコフは説明。「ロシア軍はこの種のミサイルを使用しておらず、また、クラマトルスクを本日攻撃する作戦は実施されてもいなければ、計画もされていない」と述べた。