ディープフェイクを悪用し、存在しない人物がリモート面接を突破している FBIが警告
フェイクを見分けるには、いくつかのポイントがあるようだ。FBIは、瞳孔やピアス穴など細部の形状が乱れている、背景が過度にぼやけている、背景に不自然な歪みや模様があるなどの場合、フェイクを疑い捜査当局または専門家に鑑定を依頼した方がよいとしている。映像の場合は、映像と音声にずれがある、または頭や胴体の動きに不自然な点がある、などがヒントになるという。
技術的には日本でも起こり得る
ディープフェイクは世界で利用可能であり、アメリカに限らず日本企業が同様にターゲットとなる可能性も十分に考えられそうだ。
採用面接から実際の労働までをすべてリモートで済ませるケースはまだ一般的ではないかもしれないが、実際の人物に会う前に一時的にでも業務を進める場合にはリスクがあるだろう。ひととおりの業務知識と顧客リストを渡して作業に当たってもらったところ、出社日がくる前に連絡が取れなくなったというような事態は十分に想定される。
人事担当者向けニュースサイトの米TLNTは、「こうした詐欺師が採用となった場合には、データを略奪し、(PCを使用不能にして身代金を要求する)ランサムウェアを配布し、あるはそれ以上の悪事を働く機会を得ることになる」と述べ、企業の採用担当者らに警戒を促している。
FBIは「プロフィールで動画や写真、音声などを確認できたからといって、その人物が本物であるとは信じないように」とアドバイスしている。ディープフェイクの発達により、写真や動画はもはや存在の証拠として機能しなくなってきているようだ。