バイデンの支持率低迷に悩む米民主党、中絶めぐる最高裁判断を中間選挙争点に
バイデン氏が成立を目指した投票権擁護法案を巡っては、共和党がフィリバスター(議事妨害)を行使するのを阻止するために民主党指導部がフィリバスター規則の変更を模索したが、党内のジョー・マンチン、キルステン・シネマ両議員の反対で変更できなかった。このため投票権擁護法案は採決に持ち込めていない。
銃規制強化法案は成立させることができたが、強力な銃規制推進派にとっては緩過ぎる内容にとどまった上、最高裁が23日、銃所持の権利を重視する判断を下したことで水を差された。
民主党かトランプ支配の続く共和党か
民主党上院トップのシューマー院内総務は中絶を巡る最高裁判断を受けて声明を出し、有権者は民主党と「MAGA共和党」のどちらを選ぶかという明確な選択を迫られると指摘した。MAGAはトランプ前大統領の標語である「Make America Great Again(アメリカを再び偉大に)」の頭字語だ。
シューマー氏は「全国で中絶を禁止し、女性と医師らを刑務所に入れ、強姦や近親相姦(による妊娠)も例外としないことを望むのなら、もっとMAGA共和党議員を当選させればよい。そうでないなら、選択の自由を支持する民主党議員をもっと当選させ、ロー(対ウェード判決)を守ろう」と訴えた。
下院共和党は、今回の最高裁判決を歓迎し「わが国で中絶を終わらせる」道に進むと公言している。
下院共和党ナンバーツーのスティーブ・スカリス議員は「欠陥を持つロー対ウェード判決を覆す最高裁の判断により、各州と議会はようやく、われわれが過去50年間許されてこなかった方法で命を守れるようになる」と記者団に述べた。
(David Morgan記者)
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