「ロシア軍はすぐに弾も兵士も使い果たす」──ジョンソン英首相
Russian Army Could Soon Run out of Weapons and Troops: Boris Johnson
反撃のときは近い?(6月22日、キーウ。戦死した民兵司令官の葬儀)Gleb Garanich-REUTERS
<ウクライナが反転攻勢をかけられる立場にある以上、西側諸国は支援を継続すべきだと主張>
ボリス・ジョンソン英首相は、ロシア軍はウクライナ東部への軍事侵攻に多くの兵力や資源を費やしており、これが今後のロシアの進軍を阻む要因になる可能性があると指摘した。
ロイター通信によれば、ジョンソンは6月22日付の南ドイツ新聞のインタビューの中で、ロシア軍の勢いや資源枯渇の可能性について、英国防情報当局による分析を引用して説明した。ロシアはウクライナ東部の制圧を優先する戦略転換を行って以降、着実に制圧地域を拡大していると報じられているが、ジョンソンは今後の戦況についてウクライナ側により楽観的な見方を示した。
ロシアは侵攻開始当初にウクライナの首都キーウ(キエフ)制圧に失敗した後、東部ドンバス地方の制圧に戦力を集中。その戦略は一定の成功を収め、要衝セベロドネツクの大半を支配下に収めた。
だがロシア軍のこの勢いは続かないだろうとジョンソンは示唆する。「ロシアは今後数カ月で、軍事資源を使い果たして勢いを失う可能性がある。それが英国防情報当局の見解だ」と同紙に語った。
今の勢いは続かない
英国防省は6月3日に発表した戦況分析の中で、ロシア軍が「自ら生み出した勢いを維持」しており、近いうちに東部ルハンシク(ルガンスク)州全域を掌握する可能性があるとの見方を示した。
だがその成果は「大きな代償」と引き換えに手にしたものであり、ロシア軍が勢いを維持するためには、「大規模な兵力と軍事設備を投入し続ける」必要があると同省は分析した。
ジョンソンはウクライナと同国のウォロディミル・ゼレンスキー大統領の熱心な支持者のひとりで、17日にはキーウを訪問して注目を集めた。26~28日にドイツで開かれるG7首脳会議でも、ウクライナへの軍事支援の継続を主張するつもりだという。
「ウクライナが反転攻勢をかける立場にある以上、支援を続けるべきだ。彼らが求める装備を供与する」とジョンソンは述べた。
ジョンソンは南ドイツ新聞をはじめ、ヨーロッパの複数のメディアのインタビューに対して、同様の主張を展開した。